- 嶋崎 眞二
- なづな工房一級建築士事務所 主宰
- 兵庫県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
なづな工房の2009年の作品
方庵 (神戸市北区上津台) には枯山水がある。
石庭はいくつか作ったが
砂紋で表現するのは初めてだった。
禅の世界で
悟りを開いた者だけが表現できる世界観だと
ある本では言いきっていた。
小堀遠州を知っているのかと問う人がいた。
彼は1600年代、建築、作庭、茶道など
幅広い世界で功績を残した人物だが
庭に関して言えば、善し悪しではなく
ずいぶん作品を取り巻く状況が変わっており
作者の息遣いが伝わってこない という印象がある。
そういう意味において龍安寺は別格だ。
(作者不明だが小堀遠州だという説もある)
そして重森三玲。
彼は昭和30年代に活躍した作庭家なので(1896-1975)
作品が新しく、生々しい。
禅の世界観から今のような枯山水が登場した室町期より
育まれた歴史的な表現手法を
モダンなミニマルアートとして今に知らしめた彼の功績は大きい。
庭づくりのパートナー、松匠岩崎氏、施主のAさん御夫妻と
東福寺、大徳寺塔頭と石庭巡りをしながら
重森三玲の枯山水から得た感動は
庭づくりへの勇気とエネルギーとなったのだった。
しかしながら一番見たかった
砂紋の形状で一番参考にしたところの
瑞峯院は、改修工事のため
その時、見学できなかった。
大徳寺塔頭 瑞峯院 独坐庭を、先日、訪ねることができた。
少しだけ近づけたと親近感を感じたと同時に
ずいぶん遠く離れてしまったような空虚感がよぎり
その後、何とも言えない感動に包まれた。
この庭は すごい。
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