「もしドラ」の流行に思うこと - リサーチ・市場調査全般 - 専門家プロファイル

平岡 美香
フードコンサルティング株式会社 マーケティングアドバイザー
東京都
マーケティングプランナー

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閲覧数順 2024年04月19日更新

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「もしドラ」の流行に思うこと

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“もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの「マネジメント」を読んだら”  もう読まれましたか?

 2009年12月の発刊以来、電子書籍も含めれば200万部を越す大ヒット、アニメ化・ドラマ化・更には映画化と、いまだ話題の「もしドラ」。

 

 ビジネスパーソンなら、「マネジメントの父」としてドラッガーをご存知のことと思います。

 アメリカの「マネジメントの父」と「女子高生(しかも日本人)」のコラボ?という、ある意味で奇抜な組み合わせが目を引きますが、その一方で、ドラッガーを学んだことのある方なら、「もしドラ」のストーリー性や、成功・成果へ導くプロセスが想像できてしまうことから、なぜ、流行っているのかもイメージし易いと思います。

 今のような不安定な世の中で、明確なロジックと裏づけによって、普通のチームが成果に向けて最短距離で改革を達成するストーリーも、共感を得やすい内容です。

 「マネジメント」や「組織論」といった内容を、マーケティングの観点から分かり易く説明する秀作ではないでしょうか。

 

 その、マネジメントという考え方を世界中に広めたのはドラッガーの大きな功績ですが、一方で忘れてはならないのが、ドラッガーの本質とも言いえる「社会生態学者」とう側面です。

 その本質は、目的・目標に対して組織を形成するのは人であり、一人一人が幸福でなければ、より良い社会は望めないというところにあります。

 

 加えて、マネジメントは組織を発展させ、お金儲けをするだけの方法では無く、現代社会の厳しい現実の中で自分のなすべきことを見極める為に必要不可欠なものとして多くのことを教えてくれています。                                        

 「もしドラ」の流行が、話題性やストーリーだけで無く、事の本質についての考え方に共感や気付きが生まれたならば、これを機会にひとりでも多くの人がP・Fドラッガーに関心を持ち「マネジメント」に触れていただければ、今の流行の価値は高いのではないでしょうか。

 

 このドラッガー理論は「もしドラ」だけではなく、実際の事故でもクローズアップされ始めています。現状をきちんと見据えることで、未来に起こりうる事は、ある程度解かります。

 昨年、チリの鉱山で落盤事故に遇い地下深くに数ヶ月も閉じ込められながら、多くの炭鉱夫の生死を決める判断・行動をしたチームリーダーはドラッガーの信奉者であり、遭難直後、その理論を的確に実践した成果が「犠牲者ゼロ」であったという事実がそれを物語っているのではないでしょうか。

 先を予測する、備える、準備する、行動する、その要件は人の心理にまで及び、全員の生還はこの準備と統制がなければ、逆の最悪の結果も免れなかったのではないでしょうか?

 

 震災後の日本が直面している現実は、これまで誰も予測できなかった状況であり、すべての想定を超えた現実に対応しなくてはならない日々がいまだ続いています。

 人間が一番ダメージを受けるのは、予測もしないときに心構えもないままに何かが起こることです。

 これからの地方や組織・企業が立ち直り、復興、復活を目指す為の行動指針を、ドラッガーの教えに求めると、「すべきこと」で項目立てするなら以下のようになります。

     

1.目標やビジョンを明確に持つ(復旧・復興・改善)

  収束までのロードマップをデザインする(緊急時・リーダーの資質は必須)

 

2.仕事に真摯に取り組む(一人一人がすべきことを明確に理解する)

  個人⇒組織⇒社会⇒環境

 

3.継続的に学習する

  変化する状況に対応できる体質づくりと準備

 

 関連コラム

 マーケティングの原理原則 ~厳しい時代だからこそ~  http://profile.ne.jp/w/c-56834/

 成熟社会のマーケティングはどうあるべきか   http://profile.ne.jp/w/c-56547/

 

 

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