- 宮原 謙治
- 霧島住宅株式会社
- 工務店
対象:住宅設計・構造
・日本の伝統的住宅は希少価値的存在となり、アメリカの在来工法であるツーバイフォー住宅が一般にオープン化され、ハウスメーカーやデベロッパーが、一斉にツーバイフォー住宅に取り組み始めます。
・ツーバイフォー住宅は、施工が簡単でリスクも少なく、製品コストが格安なため大量販売する企業にとっては、アフターやリスク負担が軽減され企業サイドにとって有利な工法となります。
・ツーバイフォー住宅は、アメリカ大陸の気候には適応するが、高温多湿の日本の気候には不適応な部分が多いのです。特にその生活環境は、魔法瓶のような機密性を保ち、自然から家族を隔離してしまいます。
通気・通風・換気などの全ては化石エネルギーを使用した人工的空気調整となり、ランニングコストやメンテナンスコストはもとより、心身に与える不健康は許しがたいものです。
■住宅政策として建設省から、『省エネルギー住宅』が奨励される。
・第一次石油パニックに対応するために、高気密化され、外気と室内空気の自由な交流を遮断し、魔法瓶のような住宅が、高性能住宅とされることになります。ハウスメーカーは、『省エネ住宅』として、大々的に宣伝し、良質の住宅として普及を始めます。
しかし、それは常道を逸脱した亡国への住宅普及でありました。
■この省エネ住宅が、もたらした弊害が何だったのでしょうか? 室内環境弊害がその後多発し、24時間計画換気という、省エネ住宅でない住宅へと進むのでした・・・・。
■このようにしてみると、高気密高断熱住宅は、政治・経済に左右されてきた観は否めません。国民として、省エネルギー対策に協力することは当たり前のことですが、将来に遺恨を残すような政策や企業経営は断じてやるべきでないと思います。(続く)