日本で頑張る外国人　～東日本大震災を経て～　Vol.2

私の事務所は目黒にあります。ここは、外資系の会社も多く、外国人の方が多い場所でもあります。事務所から歩いて数分の場所に、テイクアウトをメーンにした、小さなカレー屋さんがあり、所員がよく利用しています。

 カレー屋さんの店長はインド出身。気さくな人柄で、買い物客とよく話をしています。カレーのコックとして数十年。味も雰囲気も良く、常連も多く、お客も国際色豊かです。

3月11日の東北・関東大震災の日は、お店にいる時に大きな揺れを経験したそうです。当日の話を聞くと、「建物がグラグラと揺れたよ。すぐ近くの大きなビルから大勢の人が下りてきて、店の前の通りが人でいっぱいになった。でもね、あんなに揺れたのに、建物が無事で、逆に日本は安全だと思ったよ」と、笑いながら話してくれました。

この話をした時は原発問題がどんどん深刻化している時だったので、これから先、帰国するのかどうか聞いたら、「東京は大丈夫だよ。実は、母から泣きながら電話があったんだ。戻って来いって。だけど、インドでは毎年洪水で、街がひとつなくなってしまうこともある。

それを考えたら、せっかく東京でがんばってきたのだから、ここでがんばろうと思うんだ。それに、死んでしまう時は、どこだって同じだよ」と、元気に答えてくれました。こういう非常時に、明るく前向きに日本で頑張る外国の人に会うと、自分が少しでも助けになれたらいいな、と改めて感じさせられます。