- 櫨本 健一
- ハゼモト建設株式会社 代表取締役
- 福岡県
- 工務店
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
プラニングする際にライフステーションとなる空間はリビングではないかと思います。
子育て中はここでほとんどの時間を過ごすことになります。
様々なシーンづくりの場となるリビングはそもそも多目的空間でないといけません。
子供にとっては遊び場であり、夫婦には語らいやくつろぎの場であり、お客さまを招けば社交の場にもなります。
子供を思った家づくりというのは、何も、子供を中心にすべてを決めるということではありません。
夫婦の関係、家族のあり方など、トータルにとらえたプランニングが正解ではないでしょうか。
そのうえで、それらを解決するひとつの考え方はオープンな間取り。
家全体を大きなワンルームとしてとらえ、壁は極力つくらず、必要に応じて仕切って使います。
開ロ部を大きくとって、開閉自由な引き戸や可動間仕切り多用することで実現することができます。
開放的な空間は理屈抜きに気持ちのいいものですし、部屋じゅうを見渡せるという点でも、子育てには大切な事ではないでしょうか。
また収納棚やラグで子供のコーナーをつくることもできます。
子供が成長すれば家族関係が変化して、リビングの使い方も変わってきます。
そんなときも、オープンなつくりだと対応することも可能です。
また、プランニングに回遊性を持たせることもポイントです。
移動がスムーズで暮らしやすくなりますし、走り回るのが大好きな子供にとって、いろいろな経路があるというのはとても楽しいことではないでしょうか。
また子どもと大人では、見ている世界が違います。
例えば身長が100cmの子どもの場合、その目線は90cm。大人でいうと床に座ったときの視界が、ふだん子供が見えている光景だと思います。
子供はよく寝転んだり座り込んだりして、床や地面でさえ遊び場としていますが、床に近いところに親しみを持ち、よく見えていますから肌触りや色合いなど床選びに気を配るほか、デザインのポイントを床から1m以内のところに持ってくるのもポイントのひとつです。
また、居心地の良いリビングは大空間でなくてもつくることができます。
私たちの国日本には昔から、茶室のように狭くても心安らぐ空間がありました。
特別に広くなくても、そうした〈間〉をゆるやかにつなげて家族が集う場所にするのも工夫次第で実現します。
家族がごく自然に集まってくる。そんなリビングにするには、環境づくりも大切です。風や光などの自然エネルギーをうまく利用して、冬暖かく、夏涼しい住まいを考えるというのはエアコンに頼りきりでなく、窓の開閉などで四季に応じた気持ちよさが感じられる暮らしです。
リビングに接して中庭やウッドデッキなどを設けることは、家族が集う強い求心力になります。眺めて楽しんだり家事に使ったりするほか、子どもの自由な遊び場となるようエ夫してあげることが大切で、ファミリールームやホームライブラリーを設けることも考えられます。
また、家族みんなで食卓を囲むことは、もっとも自然に家族の絆を感じる場と言えます。
最近は食事のシーンの重要性が再認識されています。
料理をつくること、食ぺること、くつろぐことを分断せず、ひとつながりにとらえるプランが増えています。
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