- 小形 徹
- 小形 徹 * 小形 祐美子 +プロスペクトコッテージ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
< 原理・原則にこだわる、その一途さが心地よさ >
無骨でありながら穏やかな表情を持つ重量鉄骨造のこの住まいでは、
内部の壁仕上げや作り付けの家具や本棚、
そして枠や建具はすべてカラマツの構造用合板で作られた。
寸法の安定性や加工性が決して良いとは言えないこのラフな素材にこだわったのは、
とにかく素地のまま仕上げることができるものを求めた故だ。
それも壁だけではなく、枠や建具に至るまで素地仕上げということ。それを同一材料で!
床は構造用合板のままでは傷みが激しいことが予想された。
そのためのコーティングとして塗装を行うということも有り得たが、仕上げをしないという原則に反する。
それ故、カラマツのムクフローリングとした。
単一材料でつくるというのは、一見単純そうで、施工が容易なように見えるが、実は逆だ。
異種材料を組み合わせるよりずっと難易度が高いし、細かく繊細に納まりをつけ、気を遣う必要がある。
ラフでありながら、細かい部分にまで気を遣う繊細さ。
原理・原則主義にこだわること。そして徹底的であること。
これが建主と私たちが求めたことだった。
その一途さがこの建物独特の<心地よさ>につながっている。
品川区T邸 / 重量鉄骨造 / 3階建て
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