先日ヨーロッパへ行き、いくつかの大きなアートイベントや展覧会を見てきました。
都市と建築とアートというものの関係について示唆を与えられるような展覧会やイベントを見て周った感がありました。ドイツのドクメンタやミュンスタースカルプチャープロジェクトなど、もちろんそうですが、ロンドンにおいても、アートと都市の関わり方は、都市ぐるみのイベントこそやっていなくとも、いくつかの主要なエキシビションでは、アートと都市の関わり方に関する積極的提言が、ある場合はアーティストから、ある場合はキュレーション側から発せられていました。
そのひとつ、サウスバンクのヘイワード・ギャラリーでは、現代美術ではすでに大御所的存在になっているアンソニー・ゴムリーの展覧会が行われていました。Web Siteがわかり易いのですが、彼の作品はいわゆる彫刻作品であれ、鑑賞者に何らかの形で参加を促すような作品がほとんどだったと思います。それは身体を使った具体的なアクションを伴わなくても、少し頭を働かせたり視点を移動させたりという比較的おとなしめの、知的な参加のしかたを促すものです。あるいはサイトスペシフィックな作品も多く、作品の周囲を歩くとか、設置場所を探して歩き回るという、場所との関わりを尊重した作品が多かったと思います。
(このコラムは、弊社ブログにも記載されました)