- 小形 徹
- 小形 徹 * 小形 祐美子 +プロスペクトコッテージ 代表
- 建築家
対象:住宅設計・構造
< 友達のような窓と暮らす、心地よさ >
朝、始めに黄色い窓を開ける。
これがこの家に住むものの日課である。
この窓から朝の光がすーっと室内に入ってくる。新しい一日の始まり。
季節によって、天候によって、毎日違う朝の光。それに改めて気付く喜び、
そんな窓である。
この窓は吹き抜けの東側に設けられたはめ殺しの高窓である。
その室内側には、黄色く塗られた木製の扉がついている。直接手で開けることが
できないので、先端にフックのついた竹の棒で開ける。
ちょっとした儀式のような手順が必要だ。夜になれば、これをまた閉める。
この繰り返しを毎日行う。そんな少々手間がかかる窓。
暮らしとは繰り返される日々の生活のこと。
そこに毎朝新しい息吹を吹き込んでくれる窓を、私たちは設えた。
新しい朝、今日はどんな一日だろうと思う儀式。
暮らしのなかの小さなきっかけのひとつだが、そこから広がる世界は大きい。
そんな物語が込められた、まるで親しい友達のような窓と一緒に暮らす
というのも、<心地よさ>のひとつなのかもしれないと思っている。
久里浜の家 / 木造在来工法 / 2階建て久里浜の家
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