- 山藤 惠三
- 有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
- 東京都
- クリエイティブディレクター
かいじゅうたちのいるところ、現代童話事情 #3
-
メディアと映画、ずっと楽しい関係。
気ままに映画・TVコラム
2010-03-09 08:20
ブータンという国で国づくりの指針となっているものです、''GDP、国民総生産''ではない考え方として注目されています。
たしかに、国民総生産という言葉には、良くも悪くも物質文明の限界を表して知るような気がします。
こんにちは、山藤(サンドウ)です。
映画、かいじゅうたちのいるところ、を鑑賞して、現代童話事情として思いついたことを書いてゆきます。
前回までのコラム、
1 怪獣たちの切ない表情がステキ!
2 赤頭巾ちゃんのようなストーリーがステキ!
など、この映画のポイントになる内容について書いてゆきました、
今回は、その3 センス・オブ・ワンダーな風景がステキ!
センス・オブ・ワンダーな風景がステキ!
「かいじゅうたちのいるところ」では、かいじゅう島が重要な世界です、
かいじゅう島の主な構成
砂漠の大地、
マックスとアレックスが歩く砂漠の大地です、
乾いた砂の世界に2人のシルエットが焼きつきます、
う〜ん、砂漠フェチの私としてはきゅんと来るシーンです。
森の楽園、
かいじゅうたちは森の中に住んでいます、
けれども、良くある森の自然を大事にしよー!的なオチャラケスローガンは
この映画にかぎっては一切ありません、
彼らは、暴力的で、森を破壊し、木を焼いて遊びまくっているのです、
アートなオブジェ、
マックス王の指示で、かいじゅうたちの家、砦をつくります。
そのかいじゅう砦は、まるで、現代アートのように、
自然素材を使ったすばらしいデザインの造形物です。
さしずめ、現代アートギャラリーに行ったときのような、
新鮮な感覚に襲われること間違いなしです。
最後のシーンで、ちょっとだけ大人の仲間入りをしたマックス少年が、家に帰ってきて、
迎え入れる母親が、アンドの表情を見せて、安心して眠りに付こうとしている顔を、
ちょっとだけ大人になった少年が、見つめるシーンで映画は終わります。
見る前と、見た後の印象がこれだけ違う映画はめったにない経験でした。
ハリウッド映画のようなスペクタクルな演出も無く、''海外ドラマのような請ったストーリー展開もない、''
この映画ですが、
見る人たちのこころの底に深く溶け込んでゆくような映画。
観客たちは、現代の映画に何を期待して見ているのかな〜?
そんな、
映画の根源とは何かな〜?
と、そんなことを考えさせられたステキな映画でした。
「かいじゅたちのいるところ」は、現代童話や、今の物語が抱えている、とても人間的な問題、
それは、これを作ったらウケるだろうか?、どのくらい稼げるだろうか?
と言うことではなくて、
すごくプライベートで、ごくごく一般的な日常の小さな出来事でも、
その時に思った純粋な気持ち、
その時感じたピュアな気分ちが、
今の病める現代社会においては、とても重要で大切な物語なのかしら、、
と思った、次第です。
映画、かいじゅうたちのいるところ ★★★★☆
原作者、モーリス・センダック : 説明サイト
GNH、国民総福祉 参考ブログ
クリエイティブ・プロダクション デザインと映像のエスオープランニング