かいじゅうたちのいるところ、現代童話事情 #3 - クリエイティブ制作全般 - 専門家プロファイル

山藤 惠三
有限会社エスオープランニング 代表取締役 クリエイティブディレクター
東京都
クリエイティブディレクター

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対象:クリエイティブ制作

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かいじゅうたちのいるところ、現代童話事情 #3

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メディアと映画、ずっと楽しい関係。 気ままに映画・TVコラム
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こんにちは、山藤(サンドウ)です。

映画、かいじゅうたちのいるところ、を鑑賞して、現代童話事情として思いついたことを書いてゆきます。

前回までのコラム、
1 怪獣たちの切ない表情がステキ!
2 赤頭巾ちゃんのようなストーリーがステキ!


など、この映画のポイントになる内容について書いてゆきました、
今回は、その3 センス・オブ・ワンダーな風景がステキ!

センス・オブ・ワンダーな風景がステキ!



「かいじゅうたちのいるところ」では、かいじゅう島が重要な世界です、

かいじゅう島の主な構成




砂漠の大地、


       マックスとアレックスが歩く砂漠の大地です、
      乾いた砂の世界に2人のシルエットが焼きつきます、
      う〜ん、砂漠フェチの私としてはきゅんと来るシーンです。

森の楽園、 


      かいじゅうたちは森の中に住んでいます、
      けれども、良くある森の自然を大事にしよー!的なオチャラケスローガンは
      この映画にかぎっては一切ありません、
      彼らは、暴力的で、森を破壊し、木を焼いて遊びまくっているのです、

アートなオブジェ、


       マックス王の指示で、かいじゅうたちの家、砦をつくります。
       そのかいじゅう砦は、まるで、現代アートのように、
       自然素材を使ったすばらしいデザインの造形物です。
       さしずめ、現代アートギャラリーに行ったときのような、
         新鮮な感覚に襲われること間違いなしです。


最後のシーンで、ちょっとだけ大人の仲間入りをしたマックス少年が、家に帰ってきて、
迎え入れる母親が、アンドの表情を見せて、安心して眠りに付こうとしている顔を、
ちょっとだけ大人になった少年が、見つめるシーンで映画は終わります。

見る前と、見た後の印象がこれだけ違う映画はめったにない経験でした。



ハリウッド映画のようなスペクタクルな演出も無く、''海外ドラマのような請ったストーリー展開もない、''
この映画ですが、

見る人たちのこころの底に深く溶け込んでゆくような映画。



観客たちは、現代の映画に何を期待して見ているのかな〜?
そんな、

映画の根源とは何かな〜?


と、そんなことを考えさせられたステキな映画でした。

「かいじゅたちのいるところ」は、現代童話や、今の物語が抱えている、とても人間的な問題、
それは、これを作ったらウケるだろうか?、どのくらい稼げるだろうか?
と言うことではなくて、

すごくプライベートで、ごくごく一般的な日常の小さな出来事でも、


その時に思った純粋な気持ち、
その時感じたピュアな気分ちが、
今の病める現代社会においては、とても重要で大切な物語なのかしら、、
と思った、次第です。

映画、かいじゅうたちのいるところ ★★★★☆

原作者、モーリス・センダック : 説明サイト

GNH、国民総福祉 参考ブログ

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