寝酒やストレス発散、うさ晴らしなどのために酒を飲み、依存症になりかかっている人の場合には、酒が根本的な解決手段にはなり得ないことは明らかなので、それに頼らずとも問題が解決するような別の手段を探すことが大切です。
先ずは睡眠を促進するような環境整備や生活習慣が必要です。前回の「睡眠」のシリーズで詳述しましたが、カフェイン飲料の多飲や深夜に及ぶテレビ、パソコンの使用などは睡眠を妨げるので控え、夜は照明を暗くしてゆったりと過ごすなどが勧められます。
次にストレスを発散させ、心身ともにリフレッシュするようなことに取り組みましょう。スポーツなど身体を動かすことが健康面からもお勧めです。温泉にゆったりと浸かり、体を温めることも低体温の予防の観点から推奨できます。
心理的なセルフコントロールも大切です。何でも悪い面に目が行き、物事を後ろ向きに考える癖がついているとストレスが溜まりやすく、ついアルコールに手を出すようになってしまいます。人や物の良い面に注目し、少しでも前向きに考えることが心身の健康につながります。
それから良い仲間作りが重要です。ストレスは人生に付き物ですが、一人で解決しようとすると重圧で潰されてしまい、そのためにアルコールに頼ることになりがちです。何でも相談できる友人や家族、同僚などの存在があれば心理的な支えとなり、酒に依存することも避けられます。
そして日常の健康増進も図りましょう。バランスのよい食事や保温、充分な睡眠や適度の運動は心身の状態を良好に保ち、思考や行動にも良い影響が現れます。そうすれば物事を前向きに考えることが出来るので、アルコールには頼らずに過ごせる可能性が高くなります・・(続く)
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このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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