長期優良住宅を考える 6/8 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

鈴木 克彦
株式会社マクス 代表取締役
建築家

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対象:住宅設計・構造

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長期優良住宅を考える 6/8

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住宅に関する最新情報 長期優良住宅とは
6回目の今回は、
「長期優良住宅は、本当に長期間の居住に耐える優良な住宅なのか?」
を考えてみます。

これについては、必ずしも
「はぃ、そうです!」
とは言いきれない部分も、正直あります。

あくまでもこの基準は国が決めた基準ですから、たとえその基準よりも、
もっと良いことを考えたとしても、基準に合わなければそれは良い家と判断されない、
という矛盾も無くはありません。

しかし、ここで一番大事なことは、
「長期優良住宅にしないことで、将来大きなデメリットが建主に出る可能性」
が有る(かも?)
という一点で、長期優良住宅は、強くお勧めします。

というのは、そもそも、この
「長期優良住宅って何?」
と言うところから始まった、シリーズの1.2回目のあたりで、
この長期優良住宅が生まれた背景などもご説明したとおり、とにかく長持ちする家を、政府は作りたい(作らないとならない)わけです。

もっとひらたく言えば、現状の、20年もすれば不動産評価額ゼロになるようなシステムを改め、欧米同様、50年、60年しても、しっかりとした資産価値のある住宅、にしたいわけです。


要は、
「この家は長期優良住宅です」
となると、売る時にも高く売れる、
というのが資産価値なので、

国がそうしたい、
と言うことは、
将来そうなる可能性が否定できない、
ということです。

だから、長期優良住宅が大切だと思うのです。


例えば、今はもう住宅金融支援機構と名前を変えましたが、一昔前、旧住宅金融公庫で建てた家は、融資条件として、他の家と違って基準法よりワンランク上の一定の水準の家だったため、売買の時も多少のプラス査定効果があったことは事実です。

長期優良住宅に先立って、同じ目論見でスタートした性能表示制度は、政府の目論見は大きく外れ、不動産業者に至っては、未だ良く知らない業者が多いのも現実です。

ですが、今度ばかりは、政府の力の入れようが違います。
将来この制度が一般化した際に、
【長期優良住宅の認定】
を取ってなかったことによるデメリットが出る可能性
(具体的には資産価値、つまり評価額の実質的な目減りの可能性)
は、無視できないと思います。


ですから、
必ずしも長期優良住宅未取得の家に比べて、良い家とは胸を張って言い切れない部分も、あるにはある、

けど、

一定の高い水準にある家であることは担保されるし、
資産価値減少リスクも回避できる、
という観点も加えれば、やっぱり長期優良住宅は、これからのスタンダードなのだ、という認識が建設業者には求められるべき!
だと思います。

第7回に続きます。


ブログでは毎日現場風景をアップしておりますので、
【富士市】長期優良住宅先導モデルの家の現場風景も是非ご覧下さい。

鈴木克彦 『頑張れ四代目日記』 より


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