外国語、こうしてみたら(5) - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

青松 敬明
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寺崎 芳紀
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(経営コンサルタント)
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閲覧数順 2024年04月23日更新

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外国語、こうしてみたら(5)

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外国語
〜分かるだけで良いこと、使えないとダメなこと〜

 外国語を習得するときには、「単語」と「文法」は避けて通れません。
 よって、最低限の「単語」や「文法」は覚えないとどうしようもありません。

 しかし、特に文法はどの程度覚えるかは悩むところです。
 文法を気にして話せないのであれば、単語を並べるだけでもよいので口に出した方が会話のようなものにはなるはずです。
 
 「I meet him yesterday.」は文法的に明らかに間違っているものの、聞いた人は理解できるはずです。
 「私は、昨日彼と会います」でも我々は理解できます。
 一方相手が「I met him yesterday.」と言ったとき、こちらが理解できなかったとすれば、相手は、「I」、「meet」、「him」、「yesterday」、と細かく区切ってくれることでしょう。こちらに理解させるためには、動詞を活用させずに、より簡単な形で相手は説明してくれます。日本語でも、相手が理解できなかったら、我々は、「私は」、「昨日」、「彼と」、「会う」と言わざるをえません。
 結局、単語を並べるだけになります。

 つまり、口から出すときは、極端に言うと、単語を並べるだけでもなんとかなります。
 しかし、聞く方はもうちょっと高度で、相手が単語を並べてこない以上、ある程度の理解力を持っておかないと、お互いに永遠に単語を並べるだけになってしまいます。
 
 「話す」と「書く」は能動的で、「聞く」と「読む」は受動的です。
 「話す」ことと「書く」ことは、こちらの知っているレベルでなんとか用を済ますことはできても、「聞く」と「読む」は相手が何を言うか分からない以上、ある程度の理解力を持っておかないとまずいことになります。(もっとも、「読む」ときは調べればよいだけのことですが)
 要するに、「聞」いたときに分かるレベルや「読」んだときに分かるレベルは、「話す」ときや「書く」ときには要らない場合が多いということです。

 現在の日本の英語教育では、「聞」いたときに分かるレベルを「話」すことにも要求し、「読む」ときに分かるレベルを「書く」ことにも要求しています。おまけに、テストでは、「書く」ときに、何も見ずに「読む」ことと同じレベルを要求します。これはかなりナンセンスな話です。「書く」ときは、調べながら書けば良いだけの話なのに。

 こう考えると、「日本語→英語」にするために最低限覚えておかないといけない単語や文法と、「英語→日本語」にだけできれば良い単語や文法に分けられることになります。
 しかし、我々は、絶対に使わないような単語を試験のためだけに覚え(させられ)ています。そのほとんどは、覚えることすらできなかったか、覚えたけれどもすぐに忘れたという末路を辿っています。そのためにどれだけの時間を無駄にしたのでしょうか。
 とりあえずは「聞」いたときに分かれば良い単語や「読む」ときに分かれば良い単語を、「日本語→英語」として丸暗記するのは後回しでもまったく問題ないはずです。
 「英語→日本語」を増やす訓練をしていれば、必要に応じて「日本語→英語」は勝手に増えていくはずです。


 「外国語、こうしてみたら(6)」に続く