- 近藤 壯一郎
- 台所計画工房 キッチンスペシャリスト
- 神奈川県
- リフォームコーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
クッカー(加熱調理機器)、レンジフード、シンク、水栓金具などの機器と、作業スペースとしてのワークトップ及び収納のためのキャビネットがそれに当たる。
それらの装備をいかにコンパクトにまとめ、使いやすく配置するかがキッチンデザイナーの腕の見せ所というわけだ。
そのキッチンの使い手が、キッチンをどのように使うかや、どんな料理を主にするかなどによっても機器の選択や配置の仕方が変わってくるので、一つとして同じプランのものはないといっていいだろう。
スモールキッチンのプランでは、「作業スペースの狭さ」と「収納の少なさ」が問題になる場合が多いが、ここでこの2つのポイントの効果的な解決法を考えてみたい。
まず、作業スペースに関して、限られた一連の長さのワークトップ上で「作業スペース」として使えない部分があるということを理解しなければならない。
そう、クックトップ(コンロ)とシンクがはめ込んである部分である。
その2つの機器の寸法は通常幅が約600mmと約800mm、合わせて約1400mmにもなり、例えばI型2550の場合だと作業スペースとして使える部分は1150mmしか残らない。
さらに、幅750mmのクックトップと幅900mmのシンクを使うと、残りはたったの900mm!
しかもその貴重なスペースはクックトップとシンクで分断され、下ごしらえや盛り付け、配膳などに使えるのは「猫の額」ほど。
これではクッキングがスムーズに進まない。
そこで、少しでも作業スペースを広くするため、2つの機器の種類やサイズを見なおしてみよう。
クックトップは、フラットタイプのIHがいい。これなら鍋を乗せていないところを、その部分は熱くならないため、作業スペースとして使えるからだ。
シンクは、幅を650mm程度のものにしたらどうか。なぜか大き目のシンクが好まれるが、650あれば十分だと思う。食洗機を併用すればなおさらだ。
ついでに、ワークトップの奥行を50mm伸ばして700にするのも効果は大きい。
もし全体に奥行を伸ばせないなら、部分的にでも壁をへこませて(ニッチのように)スペースを作ってみてもいいかもしれない。
ちなみに、ワークトップ上のスペースはI型よりはL型、U型のほうが多く取れることは言うまでもない。
次回は「収納の少なさ」について考えてみよう。