
- 寺岡 孝
- アネシスプランニング株式会社 代表取締役
- 東京都
- お金と住まいの専門家
-
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持ち続ければ累計数千万円の赤字、投資マンションの落とし穴!
コロナ禍の昨今、家賃収入が簡単に入るという観点で再び不動産投資が注目されている。
しかしながら、不動産投資はそう簡単にはいかないシロモノ。
不動産投資会社の言いなりに物件を買っている人が大半で、後々、赤字だと判明した頃には既に時は遅し。
■月に5万円の持ち出しでは投資ではない!
「手付金10万円で大丈夫! 残りの売買代金はすべてローンでOK。」
そんな甘い言葉で勧誘された神奈川県に住む30代前半のサラリーマン。
勤務先は誰もが知るメーカー。
そのためローンの審査も通りがいい。
あれよあれよという間に投資マンションを3戸も買ってしまった。
借入金の総額は8,000万円にのぼる。
そんな投資マンションの収支はというと、賃料よりもマンションの管理費や修繕積立金、固定資産税などの税金の合計額の方が多く、収支は毎月4~5万円の持ち出し、年間で約60万円以上の手持ち金を払う投資内容だった。
ちなみに、ローンの返済期間は35年間。
つまり、ローンの返済期間中の収支は毎年60万円の赤字ということになる。
仮に、35年間マンションを保有した場合の赤字累計額は2,100万円。
マンションが自分のモノになるまでになんと2,100万円もの持ち出し金を払う計算だ。
買ったマンションの価格が2,500万円とした場合、トータルで4,600万円ものカネを払う結果になる。
これでは、何のための不動産投資かわからない。
こうした事案は珍しくはない。
■サブリースの落とし穴
こうして買った物件にはたいていサブリース契約で家賃収入を得ているが、このサブリース契約はそう簡単には解約ができない仕組みになっている。
サブリース契約は入居者の有無にかかわらず家賃が毎月入る仕組みになっており、初心者が不動産投資を行うにはリスク軽減策の1つではある。
当然、サブリース契約の家賃は市況の家賃相場より1割は安いので、オーナーにとってのうまみは目減りすることになる。
また、サブリース契約は概ね3年から中には10年という契約期間が設定されており、賃料の見直しは2年ごとにある契約内容が多い。
したがって、2年ごとに賃料は徐々に安くなり赤字幅は広がるばかりだ。
マンションを購入してから2年ぐらい経つと、以下のような思いをするオーナーは多いはずだ。
「確かに賃料は入金されるが、ローンの返済やマンションの管理費、修繕積立金を毎月差引されると通帳の口座にはお金が思ったほど残らない。」と…
下手すると、いつの間にかマイナスになってしまい、毎月数万円を口座に補填する羽目にあう。
そんな投資では意味がないことにようやく気付き始めたオーナーは、慌ててサブリース契約書を見直してみるが貸し手からの解約に関する項目はほとんど見当たらない。
契約を更新する際の手続きや家賃の見直しなど、借主に関する条項は多くあるが、オーナーから解約する場合の措置はあったとしても、賃料の6か月分を支払えば解約できるとか、解約は申し出から6か月先でいないとできないなど、オーナーには不利な契約内容となっている。
これは、借地借家法にある賃貸人からの解約や契約更新の拒絶には正当な理由が必要となっており、サブリース契約上の賃貸人はオーナーであるためにことさら解約などは難しいとされている。
この法律を盾に、サブリース契約の賃借人である不動産業者はサブリース契約を解約させない方針を取っている。
過去、家主の力が強かった時代、家主のした言いたい放題で賃借人はヒドイ目にあった。
その観点から、借地借家法の改正がなされ、家主よりも借り手の方に有利な賃貸借契約の内容になってしまった。
サブリース運営の不動産業者は自らが借り手であるので、借り手有利の借地借家法を逆手に利用して、半永久的にサブリース契約を継続させるような契約内容となっているのが現実だ。
こうした実情は一般のエンドユーザーにはわからない。
特にサラリーマンのオーナーは購入時に出会った不動産業者に「サブリースで家賃保証も付くから安心です。」と言われてカモられ、安心なはずのサブリースでさらに賃料は相場からピンハネされ、しかもサブリース契約自体もそう簡単にはやめられないという負のサイクルに陥ってしまうのである。
出口が見えないマンション投資は昔も今も変わってはいないし、なくならない。
儲かるのはそこに携わる不動産業者だけである。
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- 寺岡 孝
- (東京都 / お金と住まいの専門家)
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