- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
混み合った日本を出てカナダに住みついたのが2016年。
Nomadになる!と頑張り、アルバータ南部の大平原から北の寒いエドモントン、そして古巣でもあるバンクーバーと、まるで外国のように異なるカナダの3つの場所を移動しました。
今は、昔から惚れ込んだアルバータプレーリーの中心部に戻り、2エーカーの土地にエコキャビンを建設中です。
最寄りの町ならぬ村は人口600人。
キャビンが出来るまでの仮住まい中の生活が面白すぎるカナダです。
さすがのカナダ、いや、アルバータ、いや小さな町のいい所と、仰天のいい加減さに、毎日大笑い。
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大きな空に、絵に描いたような雲がゆ〜ったり浮かぶ昼下がり。スマホにテキストメッセージが「チン!」と。
BC州のHealth Serviceから。BC州から引っ越したのは2月末なんだけど、お知らせはまだ届くみたいです。
「4回目のワクチン予約が可能です。このリンクから予約をして下さい。」と。
以前は、遅く、偉そうで評判最悪だった政府サービスにもIT化が進むカナダでは、ワクチン接種もすべてアプリで完了するという驚きの便利さです。 でも。。。今アルバータにいるから、予約は出来ないし。。。
アルバータのアカウントは作ってないから。。。
で、早速クリニックに電話。少しだけ人口の多い(と言っても小さい)町でファミリードクターをみつけたクリニック。
カナダはドクター不足なので、ナイジェリアなどからのドクターがいっぱい来ています。私のドクターもナイジェリア女性です。
えらい無愛想な女の人が電話で「なに?」みたいな感じで出て来ました。
「なに?」と言われても、そこってクリニックよね、もっと少しくらいはやさしい声出せんのかと思いつつ。
「BC政府からワクチン4回目の案内が来たんですが、もうアルバータにいるので。。どうしたらいいか教えてくれますか?」
気のせいかも知れませんが、舌打ちされたようなイラッとする声で
「じゃ、予約すれば?」
「でも、アルバータに引っ越したから。。」
なんだよ、こっちは忙しいんだから的な声で
「ファーマシーに聞いて、ファーマシー。」
あ〜、アルバータはそう言うことかぁと納得。
なんでそんなに機嫌悪いねん!と言いたいのをグッとこらえて”Thank you!”
無愛想の代名詞みたいな受付女性は、自分の言った”Sure.” も言い終わらないうちにプチっと電話を切りました。
「カナダやなぁ。。。」と独り言を言いながら、早速向かったのが、小さな村のつい最近出来たてホヤホヤのファーマシー。
インド系移民の若い男性薬剤師が勤務してました。 Kinjalという名前で、クリニックの電話女性の5倍親切。
ガラ〜ンとして、新しい匂いがするファーマシーにはKinjalだけ。他にはスタッフも客も誰もいません。まるで私専用みたい。
ちょちょっとコンピューターで調べてくれて、
「あ、4回目可能よ、今日やる?」
「わ!(そんなにすぐに!)やるやる!」
「ファイザーは冷蔵庫から出して15分おいとかないといけないから。。。」と、何やら独り言を言うKinjal。
「じゃ、後で来ましょうか?」
「OK. でも今日来てね、もう冷蔵庫から出したから、無駄になるからね。」
フワフワの雲が追っかけっこしえいるような青空と地平線の中を少し散歩してファーマシーに戻りました。同意書には接種後20分はファーマシー内で待機することと書いてあったので、「あ、本を持ってくればよかったなぁ。」と思いながら。
やっぱり、ファーマシーは人っ子一人いませんでした。Kinjalだけ。
「じゃ、そこに座って。」
魔法のように小さくて不思議なワクチンの瓶の蓋を開けて、注射器に液をずずっと注入して、「準備いい?」
「痛!」
「どうだった?」
「…OK。。。」
BCでワクチンを打った時のように、ちっこい絆創膏を貼ってくれるものと思いきや、何もなし。
”You are good to go!” 「帰っていいよ。」
え? 絆創膏は? というより、20分の待機は?
”Have a good afternoon!”というKinjalの声を背中に聞きながら、満面の笑顔で外に出たかも。
すごい。面白すぎる。
アルバータ大平原は、他とは違う規則で動いてる。
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その次の日、今年Cabinで実施する日本の生徒向けのサマーキャンプ用に購入した2段ベッド用の部品が届く予定でした。隣は数キロ先という大平原ですが、一応数字6桁の長い住所があり、そこに届く予定でした。仮住まいの住所です。
またまたスマホに「チン!」とメッセージ。
「ちょっと離れた村(やはり村です)の自動車修理店に荷物が届きました。受け取りには注文主であることを証明するIDと、配送先として記入した住所に確かに住んでいるとことを証明出来るものを持参して下さい。」
「わ!配送先に届けずに勝手に違うところに置き去りにして、しかも、ややこしい。この仮住まいは契約書も何もなしで借りてるだけ。証明するものなんかないよ。はて。受け取りの時にややこしそう。としばらく相棒とブツブツ。
ま、取りにいかないと受け取れないですから、高いガソリンを燃やして15キロ離れた村まで出向きました。
Main St.にその自動車修理店はあるとか。Main St.と言っても、倉庫みたいな農業関連の店がチラホラ、小さなスーパーとカフェ、郵便局と村役場、あ、そして5年前に強盗に襲われた小さな金融機関があるだけです。
ちょっとだけドキドキしながら、自動車修理店のドアを開けると女性が奥から出て来て、
「荷物の受け取り?」
「はい、そうです。」
「名前は?」
「ミックミランです。」相棒の名前で注文しました。もちろん相棒も一緒に行きました。IDがいるから!
「あ、ひとつ大きいのがあるわね。もうひとつは。。。どこかな?」と、15個ほど床(そう、床に散らばってました)に適当に置かれている荷物の間を歩いて。
「これと、これ。」
「ピッ」「ピッ」と読み取り機をかざし
“OK. You are good to go! Have a good day!”
IDもなし、住所の確認もなし。
ただ名前を言っただけ。
簡単!
またしても満面の笑顔で帰路につきました。
面白すぎるアルバータ大平原の人たち。
大平原のルールで動いてます。
ゆったり、適当な生活にハマりそうです。
夏のキャンプにやって来る生徒たちの反応がとてもとても楽しみです。
ゆったり、適当なアルバータの大平原。
カナダにいらっしゃい!
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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