- ヨシダケイスケ
- はたらくちからラボ 代表
- 東京都
- キャリアコンサルタント
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
人生で最も後悔することは何でしょう?
イリノイ大学は、後悔に関する11の研究から、3,000人の考えをまとめた調査を行いました。
皆さんは、どのような回答が得られたと思いますか?
私のまわりで尋ねたところ、お金や友人関係といった回答が得られました。
この研究結果では、お金は、ある程度の稼ぎが得られるようになると、それだけで幸せが買えると思えるものではなくなるということが示されています。この調査で、人生で最も後悔することが「お金」だとした人は全体のわずか2.52%に過ぎませんでした。
友人関係に後悔するのは40代のときが最も大きいものの、全体としては1.44%で、人生で最も後悔するものとしての順位はそれほど高くないことが分かりました。
それでは、「人生で最も後悔すること」として特に高かった回答はというと、第1位は「教育」で、全体の32%を占めていました。
さて、教育は大きく3つに分類できるという考え方があります。国語や算数などの勉強を学ぶ「学校教育」、学校では扱わない実学を学ぶ「社会教育」、そして基礎的な価値観や徳を身につけるための「家庭教育」です。
一般的に「教育」というと、学校教育のことが連想されがちです。そして最近は、社会教育や家庭教育で行うべきものであっても、すべて学校に委ねてしまおうとする誤解も見られるように思います。
特に「価値観」は家庭ごとに重視するものは違いますから、これを幼稚園や小学校で育むものだと勘違いしてしまうと、大きなリスクがあります。
たとえば、「お金はもちろん大事なものだけど、それがすべてではなく、お金だけでは得られない幸せがあることを、子どもにしっかり伝えたい」という考えを持つ保護者の方がいたとします。しかし、子どもに経済概念をしっかりと学ばせる方針の園であれば、主体的にお金を稼ぐことの大切さや、お金は人生の中で極めて重要であるという考え方を、早いうちから教わることだってあるかもしれません。
正解が必ずしも1つでなく、どれを選ぶかはその人次第という選択は、世の中には無数にあります。子どもがそのときに選ぶものは、長く一緒に過ごしている人の影響を多大に受けるでしょう。
学校の教員は学校教育のプロではあっても、社会教育や家庭教育のプロであるとは限りません。そのことを、自分の子どもを預けるときにはよく理解した上で、全てを委ねることのないようにしなければならないように思います。
そして親自身は、自分の子どもを育てるのに十分な家庭教育についてよく学び、教育者として振る舞えるだけの素養を身につけていくことが必要だと考えます。
子どもが成長していくほど、教育すべきことは複雑になっていきます。
それに伴って、親として知識として蓄えなければならないことも増えていきます。
親である皆さんは、家庭教育の教育者として持ち合わせるべき素養を身につけるための勉強時間を、普段の生活の中で十分に作れていますか?
参考:
1. You're More Likely to Regret This Than Anything You Do, Study Says(12th Oct, 2020)https://bestlifeonline.com/biggest-regret/
2. 『教育原理』川本亨二著 日本文化科学社
このコラムに類似したコラム
「教育の3つの視点」を知ってますか? ヨシダケイスケ - キャリアコンサルタント(2021/08/06 09:00)
家庭教育で大切なこと①「手本を示す」 ヨシダケイスケ - キャリアコンサルタント(2021/08/27 09:00)
子どもの教育方針を考えるコツは? ヨシダケイスケ - キャリアコンサルタント(2021/07/09 09:00)
「わかる」って、どういうこと? ヨシダケイスケ - キャリアコンサルタント(2021/06/21 09:00)
探究の力を育むには、保護者の関わり方がポイント ヨシダケイスケ - キャリアコンサルタント(2021/06/21 09:00)