子どもの教育方針を考えるコツは? - キャリア能力開発 - 専門家プロファイル

ヨシダケイスケ
はたらくちからラボ 代表
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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子どもの教育方針を考えるコツは?

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保護者向け

子どもを育てることというのは、とても難しいですよね。

私にも3人の子どもたちがいますが、どのように接するのが良いのかというのは、成長するにつれていっそう難しくなっていくことを実感します。


未就学の頃には、善悪の判断が正しく身につくことを目的に、よく叱る教育が良いのか、親からの愛を感じるためにいろいろなものを与えることが重要なのか、あるいは些細なことでも褒めることで自己肯定感を高めるようにするべきなのか…などなど、教育方針に関しては悩みが尽きないことと思います。


1958年に初版が発行された南博氏の著作「社会心理学入門」では、社会的な動物である人間が持っている「自我実現の欲求」について説明されています。

それは、人間が集団の中にいても自分の存在を主張し、自分の思うことを実現させたいという欲求だと言います。


「自我実現の欲求」のうち、子どもが幼い頃に持つ欲求は、家族から承認されたいという「承認の欲求」です。子どもは、叱られるよりも無視されることの方が怖いといいます。虐待をされても親と一緒にいることを望み、離れることを嫌がるのは、このような本能ゆえなのでしょう。十分に存在を承認されないと、発達が遅れやすくなります。両親とも毎日仕事に忙しい家庭が多いと思いますが、子どもの存在を承認する時間が十分に取れているかどうか、振り返ってみることをお勧めします。


「承認の欲求」の次には「表現の欲求」が生まれます。自分の望むものや感情を何らかの形で表現して、他の人に認めてもらいたいという欲求です。社会生活の中で、自分の占める位置が不確かであったり、他の人たちよりも低いと感じたりするときに強くなると言います。そのときは、おしゃれをしたり小説やイラストを書いたりするような行動に現れます。このような行動は自分を認めて欲しいという気持ちの表れということになります。


そのような行動や気持ちが抑圧されてしまい、「表現の欲求」が満たされないと、「自我拡大の欲求」が起こります。それは様々な形をとりますが、例えば過度な収集癖。所有しているものが一つでもなくなると脅威を感じてしまうような状態は、この欲求段階にあることを示しています。他には、自分の所有物をしっかり握っていることで安定感を得ようとする「極端な私有欲」や「名誉欲」なども、「自我拡大の欲求」が起こしている場合があります。


また、「自我拡大の欲求」は、競争や攻撃の欲求として現れることもあります。現在の学校教育では、個性を重視し、テストなどで順位をつけないといった方針をとる学校もありますが、競争の欲求がこのように育まれていくことがあると考えると、単に競争の要素を排除するというのでは解決にならないということが分かるのではないでしょうか。幼い頃からの「承認の欲求」や「表現の欲求」に対して、しっかりと向き合ってあげることが、子どもたちが健全に「自我実現」を果たしていくために大切なことでしょう。


家庭や幼稚園、保育園などで子どもたちの教育の方針を考えるときは、海外の素晴らしい事例を取り入れていくことも重要ですが、このように日本社会に焦点を当てて様々な分析を加えて築き上げられた考え方も、ぜひ取り入れていただきたいと思います。

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