住宅の定義 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

増井 真也
建築部門代表
建築家

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:住宅設計・構造

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

住宅の定義

- good

  1. 住宅・不動産
  2. 住宅設計・構造
  3. 住宅設計・構造設計
家作りのコツ
住宅とは何か。これを確実に説明することは出来るだろうか。
辞書を引くと「人が住むための家。住居。すまい。すみか。」とある。これくらいのことは誰でも言える。では法律上はどのように定義されているか。
実は建築にまつわる法律、建築基準法では住宅とは何かという問題を明確に定義はしていない。用途地域によっては住宅しか建設することが出来ない地域があるのだが、その住宅が定義されていないというところで面白みがある。
今作っているガーデニングのためのセカンドハウスには風呂も、火気仕様設備も無い。トイレはある。これは住宅といえるのだろうか。これについては行政の担当者とも非常に多く話し合った。結果、これは住宅ですと認めてもらった。
しかし、悪意で利用すれば、住宅と言い張った倉庫や工場などが作られてしまう可能性もある。そうなると良好な住宅地を整備するという住居専用地域の目的が果たせなくなる。崇高な理想を求めるセカンドハウスと悪意で建てられる倉庫には、実は建築としてのそれほどの差異は無い。そこにあるのは使い手の善意、もしくは悪意だけだろう。
便宜的に、風呂トイレキッチンの3点セットがあれば住宅です、という審査機関は多い。
私の中の定義は、人が住むことを真に目的としているか、これに尽きる。
住むための建築かどうかを判断する、やはり設計者のモラルの問題なのではないだろうか。