
- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今回は、塗装のお話しです。
と言っても「ペンキ屋」のお話しではありません。
作業をしているのは、「美装屋」と呼ばれる掃除屋さんです。
ご存じのように、住宅にとって塗料は、一番人体に有害な、「揮発性有機物質」を発生させます。
トルエン・キシレンと言ったいわゆるシンナーです。
これらは、シックハウスの原因物質とされています。
せっかく家を造っても、その家で健康に暮らせない、では意味がありません。
なので、こうして塗っているのは、自然素材塗料というものです。
揮発性有機物質を含まず、成分は天然成分由来の物のみです。
食品に使う油等を含有しているだけなので、柑橘系の香りがするだけで、臭くありません。
弱点としては、兎に角乾きが遅い!
そこで、写真のように、刷毛で塗るのではなく、ボロきれでこすって色を付けています。
だから美装屋なんですね。
こうすれば木目もきっちり出て、本当に美しい!
これでさらに壁が仕上がってくると、8寸角の柱や梁が浮き立って素晴らしい!
と自画自賛です。
こちらはキッチンです。
掃除屋の(昔)お姉さんが、作業中です。
「社長、全然これ臭くないんですねぇ〜っ」
と感心してくれています。
ちなみにキッチンの前のカウンターは、秋田杉の一枚板。
こちらは、同じ自然素材でも、木目をより見せたいので、蜜鑞(みつろう)ワックスと言う、ミツバチの巣とエゴマ油が原料のワックスで仕上げます。
※なお、ティンバーフレーム工法の家については、こちらもご覧下さい。