ここ数年、日本各地でアメリカカンザイシロアリという、従来日本に生息していなかったシロアリによる被害の発生が増えてきています。
このシロアリの特徴は、名前のとおり乾燥した木材(家の柱や天井裏の梁、枠材さらには家具や建具まで)を食い荒らすことです。おそらく戦後にアメリカから持ち込まれた家具や建材についていたと思われます。通常のシロアリほど繁殖力は強くありませんが、被害はじわじわと着実に拡がっています。
発見されるパターンは2通りあります。
ひとつは羽アリの発生です。6〜10月頃に柱や窓枠から発生します。写真のように体の色が白くはありませんので、シロアリと気づかれないこともあります。
もうひとつは、写真のような顆粒状の糞を見つけたときです。天井からパラパラと降ってきたり、畳をあげてみたら大量に発見されたりします。ただし、普通の方はそれがシロアリの糞だとは知りませんので、やはりシロアリと気づかれずに片付けられてしまいます。
以上のように、それとわからぬ内に被害が拡大してしまいました。
また、普通のシロアリと違い(もちろん普通のシロアリも大変恐ろしい害虫ですが)、駆除が非常に困難です。というのも、普通シロアリの巣は地中にあり、そこから床下に侵入し土台などの木材を食害します。シロアリは適度な湿気(水分)が無ければ生きていけませんので、被害部は主に1階床下部分の水周りが中心です。
したがって床下に薬剤散布を行うことで、駆除と再侵入の防止が同時に出来ます。薬剤の効力が有効な間(5年間)は新たな侵入はありません。
ところがアメリカカンザイシロアリは特別な水分を必要としません。また、侵入経路もさまざまで、軒先や開口部、壁などあらゆるところから侵入可能です。被害の範囲も専門家が見ても特定できません。完璧に調べるには壁や天井をすべてはがしてみなくてはなりません。
とにかく早期発見がすべてです。上にあげたふたつの兆候を見逃さぬようこころがけてください。
アメリカカンザイシロアリの判断がつかない場合など、少しでも怪しいと思われる場合は、ご相談ください。
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http://www.kanzaishiroari.com/
このコラムの執筆専門家

- 南山 和也
- (東京都 / 住宅設備コーディネーター)
- 株式会社テオリアハウスクリニック
建ててからはじまる、家づくり。シロアリ対策はお任せください
「シロアリに食われて泣くよりまず予防」をキャッチフレーズとしてシロアリ防除やネズミ駆除を行っています。創業以来40年、累積施工件数24万件の実績から蟻害におけるさまざまなケーススタディを蓄積。大切な住宅の寿命を伸ばすためのお手伝いをいたします。
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