障害者虐待事件にみる「一人称福祉」の行方 - 家計・ライフプラン全般 - 専門家プロファイル

石川 智
オフィス石川 代表
高知県
ファイナンシャル・プランナー

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閲覧数順 2017年10月21日更新

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障害者虐待事件にみる「一人称福祉」の行方

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こんにちは、石川です。


私は普段「障がい者支援」にも取り組んでいるFPです。


ですから、障がい当事者や親御さんともよく会うんですが、最近心が痛んだ事件が、あの障害者虐待事件でした。


障害者虐待疑い元職員逮捕 平手打ち映像がきっかけ 山口・下関の施設  


また、今朝のワイドショーでもこんな話題が挙がっていました。


養護学校で看護師全員が辞職願 「学校側配慮なかった」


前者の「虐待事件」に関しては「こんなことダメだよね!!」とほとんどの人が感じることでしょう。


では、後者の「看護師総辞職」の件は皆さんどう感じるでしょうか?


おそらく意見が分かれるかと思います。


「これは学校や教育委員会の配慮不足だ!!」

「少しキツく頼むと、モンスターペアレントみたいに思われるのかなぁ。。。」

「こんなきついスケジュールで仕事をさせて、ほとんどが非常勤職員なんてひどいなぁ」


などなど。


でも、私が感じることは、この二つの事件はともに「一人称で福祉に取り組んでいるから、こんな問題が起きるのではないだろうか?」ということです。


「一人称福祉」って何?、と思われる方は多いかと思います。


しかし、地域福祉の現状に問題点を見出せる専門職の方、色んな専門職と繋がることが多いソーシャルワーカーさん、障がいのあるお子さんを育てている親御さんにはなんとなくわかっていただけるかと思います。


いち‐にんしょう【一人称】


そうです、つまりは「俺が〇〇さんを支援している」「私がこうして仕事をしているんだから」という風に、支援する側の論理で福祉に関わっている人の仕事ぶりを「一人称」と呼んでみました。


「俺が支援しているんだから、言うことをきくべきだ」

(だから、してくれないと腹が立つ)


「せっかく私たちが工夫しても、それをしてくれないからこんな結果になるんです」(私たちは精一杯しましたからね)


「こんなケースの人は、私たちがこういう方法論で支援するからOKです」

(外部の人間は、余計なこと言うな!)


「私たちは一生懸命していますが、体制が整備できていないので、これは無理です」

(いったいこれ以上私たちにどうしろと。。)


「私たちが精一杯支援したので、あの人もこんなによくなったんだよ」

(障がい者本人は何も出来ないからね。。。)


などなど。


障がい者支援などに関わっていると、時々聞くことがある台詞ですね。


このような一人称福祉を実践していても、なんとなく上手くいったり、大きなトラブルなく時間が過ぎていけば、この関わり方が問題視されることもないのでしょう。


しかし、今回の虐待事件などのように大きく報道されると、やっとその関わり方に疑問を持つ人が「一瞬」増えるんですが(苦笑)、長年のくせがそう簡単に直せないように、この考え方もそう簡単には変えることはできないと思います。


で、また数年後、もっと大きな問題が起こったりするわけですが。。。


では、どんな関わり方をすればいいのでしょうか?


先ほどの「人称」で言うならば

「二人称福祉」

かなぁと思います。


つまり

「あなたが暮らしすくなるには、どんな支援が必要でしょう?」

(支援する対象の人がどうして暮らしにくいのかを学んで欲しい)


「あなたがこんなことで困っているんならば、対応を皆で考えましょう」

(支援者は、心から、困り事を受け止めているか?)


「親御さんたち(あなたたち)が困惑していることを、まずは、私たち支援者が共有しましょう」

(自分たちだけでわからないことは訊いてみよう。そうすることで支援内容も充実します)


「障がいがあるからできないことを、あなたから聞かせて欲しい・教えてほしい!」

(自分は健常者だから理解できないのではなく、自分ごとのように考えてますか?)


私は決してソーシャルワーカーでもありませんし、福祉の専門家でもありません。


しかし、人の話をまず聞いて、そしてどうすればその人が幸せになるかを、仕事で考えている人間ではあります。


その考え方の根本には

「自分がしている仕事は、お客様のためだ」

というごく当たり前の基準があります。


福祉の仕事もそうではないでしょうか?


それこそがいわゆる「二人称」の仕事術ではないかと思うのです。


つまり仕事をすることで、相手が幸せになればいい」とシンプルに考えることを、是非とも福祉の職場でも実践して欲しいと思います。


そうすれば悲しい事件や、理不尽な事件なども少なくなるような気がしています。


ではまた、お会いしましょう!