- 大泉 稔
- 「保険と金融」の相続総合研究所
- 東京都
- 研究員
対象:保険設計・保険見直し
『中小企業:43.8%が賃上げ 業種別では製造業が5割超』
(本文はこちらをクリック…引用は毎日新聞 2015年03月31日 21時12分)
大企業のベア満額回答に始まり、賃上げの風向きが中小企業にまで波及してきたようですね。
基本給が上がれば、賞与はもちろん、退職金にまで反映します。
会社の業績はもちろん、「日本の景気」も上向いてきたと、観て良いのでしょうか?
昨日も「景気が良くなったという実感が無い」と仰るお客様もおりました。
そもそも
社員一人ひとりの給料が上がっても、「賃金総額」は上がっているのでしょうか?
その昔、「日本の景気が良かった」ころは…。
ことさらに「正社員」という言葉は使わなかったですよね。
「社員」と言えば、それは当たり前のように正社員でした。
今は…契約社員、期間従業員。パート・アルバイト、そして派遣などのように
「正社員以外」の雇われ方も様々です。
「正社員以外の方」は
今年、「給料が上がった」としても、
将来、「いつ切られるか」という不安そのものは変わらないと思います。
「正社員以外」の方は退職金制度が無い場合がほとんどだと思います。
また、「賞与が無かったり」、あるいは「ミニ賞与」と言う方もいらっしゃるでしょう。
社員と一括りにできず、「正社員」という言葉で区別(差別?)する時代なのです。
そして、その「正社員」人数は「日本の景気が良かった」ころに比べ、グッと減っているのではないでしょうか?
また、その昔、「日本の景気が良かった」ころは…。
永く勤めて、退職金というまとまったキャッシュを受け取って定年を迎えるのが当たり前でした。
今は…「退職金制度が無い」企業や「退職金は確定拠出型年金」という企業にお勤めの方もいらっしゃるでしょう。
そういった方々は、今年、給料が上がったとしても、退職金にまでは反映しません。
例え、
今年、社員一人ひとりの給料が上がったとしても、
「将来の雇用の安定」の確保と「賞与および退職金を含めた賃金総額」の上昇の二つが得られて、…そこで初めて「景気が良くなった」と言えるのでしょう。
私がサラリーマンになりたての頃、「リストラ」という言葉を聞かない日はありませんでした。
リストラは、社員の数を大きく減らし、「正社員」以外の新たな働き方を生み、残った「正社員」の退職金制度を大幅に見直すことで賃金総額を減らした「企業努力」。
賃金総額を減らすという、究極の蜜を味わった企業が、
そうそう簡単に「賃金総額を上げる」ハズがありません。
このコラムの執筆専門家
- 大泉 稔
- (東京都 / 研究員)
- 「保険と金融」の相続総合研究所
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