30歳未満の実質納付率は40%を割っています。
※実質納付率とは、保険料免除者や猶予者も含めて、国民年金保険料を支払っていない人の比率
このまま、納付率が改善しない場合は、どんなことが起こるのか?
一番の問題は、今のままでは数十年後には、日本は生活保護者申請者があふれかえってしまうことです。
現在65歳以上の無年金者は40万人、そのうち29万人が生活保護を受けています。
なんと、無年金者の72.5%が生活保護を受けているのです。
生活保護の方に地方自治体が支給しているお金は、月7〜8万円。
国の一般会計は毎年30兆円ほどの赤字で、累計赤字が830兆円です。
このまま国民年金の納付率が改善しなければ、日本は更に赤字国債に頼らざるをえない状況になり、国力が衰退し、デフォルトという最悪のパターンも想定していかなければいけません。
若い方たちが保険料を納めないという選択(国民年金法では保険料を納めることが義務になっていますので、実は法律違反なのです)をしてしまうほど国民年金は魅力がないのいでしょうか?
実は全く逆で、国民年金はとても率の良い保険なのです。
ファイナンシャル・プランナーとして、日本を救うためにも国民年金の有効性をお伝えしなければいけないという使命感で今回のメルマガを書かせていただきます。
以下は国民年金からの給付と民間保険会社の保険との比較です。
※保険料は2017年に以後固定される金額で設定しています。
● 0歳の子を持つ世帯主(30歳)がもらう国民年金からの給付
1、遺族年金…お子さんが高校卒業までに世帯主が死亡した場合に支給
基本額:792,100円 子(2人目まで)227,900円/人
子(3人目以降)75,900円/一人分加算
2、寡婦年金…第一号被保険者である夫が死亡した場合に一定の要件を満たす妻に対して60歳〜65歳まで支給
年金額:夫が受取るはずだった老齢基礎年金の3/4
3、老齢基礎年金…65歳以降に払込んだ保険料に比例した年金額が支給
25年以上の払込みが条件、40年間払込みで年間792,100円
40年間保険料を支払った方は、75歳3ヶ月で元が取れます。
また、国民年金の保険料は全額が社会保険料控除ですので、課税所得が330万円以下の方でしたら、実質保険料は13,520円になり、実質保険料で計算すると73歳3ヶ月で元が取れます。
4、障害基礎年金…20歳以上の1級・2級障害者に対して支給
1級:990,100円/年
2級:792,100円/年
子の加算額:2人まで1人に対して227,900円/年
3人目以降1人に対して75,900円/年
●民間保険会社の個人年金保険との比較
5、国民年金からの老齢基礎年金と同じ保険料で65歳からの年金額を試算すると年間527,952円の終身年金になります。
民間の個人年金保険では、80歳6ヶ月まで生存してやっと元が取れるという状況。
民間の個人年金保険の場合も保険料控除がありますが、それらの控除を考慮しても79歳10ヶ月が損益分岐点になります。
民間保険会社の個人年金保険は、保険料払込み期間中に死亡した場合に既払い保険料分が戻ってきますが、国民年金では保障されている1の高額死亡保障や2の老齢期の死亡保障、4の障害時の保障は、別枠で保険料を支払わなければ確保できません。