「この店のスタッフは、たいしたことないよね。笑顔も少ないし、あのテーブルのお冷やが少なくなっていることにも気がつかないし。このメニューの味にしても評判ほどでは無いよね。」
私は、顧問先の店長の研修をするときに、そのチェーン店のライバル店を視察するという方法を採ることがあります。
この日も、あるチェーン店の店長を数名連れて、ライバル店でランチをしながら彼らの反応を見ていたのです。
この「ライバル店視察研修」で、私が彼らに与えていたテーマは「ライバル店から学ぼう」でした。
しかし、彼らは一様に「学び」と言うよりは「批判」に近い視点でしかライバル達を見なかったのです。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
これは私の想像ですが、恐らくは経営者の普段の言動が影響していると思われるのです。
このチェーン店の経営者は、とても立派な方で大きなチェーン店を展開した素晴らしい経営者です。
しかし、社内の会議などで、ライバル会社については「批判的」な、ネガティブな表現をよく使うのです。
それは、まさしく冒頭で店長達が発言しているような言い方とそっくり同じなのです。
ライバルの業績が良いときでも、「運が良い」とか「美味しくない物が売れているのはおかしい」とか「かさ上げした偽物だ」などと批判的な言い方をしますし、逆にライバルの業績が悪いときは、「そら見たことか」とか「長くは続くはずが無い」の様な言い方をするのです。
実際は、ライバル会社の動向が気になり、彼らがやっていることを参考にしているにもかかわらず、言葉の上ではとても批判的なのです。まあ、立場やプライドもあるのでしょうから仕方が無いとは思いますが、問題は、それが役員達や部長、マネジャー、そして現場の店長にまでものの見事に伝染していると言うことなのです。
経営者ご自身は、店長にまでそんな影響を与えているとは思ってはいないことでしょう。
しかし、部下は上司の言動を事細かく聴いています。そして、時にはそっくりそのまま同じ発言をしたりするのです。
「上司」という立場は「部下」にもの凄く影響を与えます。
だって、自分の評価をするのは上司なんですものね。
優秀な部下は、上司とそっくりになってくるものなのです。
(ムチャクチャ優秀な部下は違いますけどね)
このチェーン店は、経営者の強いリーダーシップで、幹部から現場まで徹底して鍛えられています。もちろん、そのお陰で安定した成長が続いている優秀なチェーン店なのです。
だからこそ、この「経営者のネガティブ発言に影響を受けている」ことがとてももったいないのです。
ライバルをネガティブに批判しているようでは、決して自分の成長には繋がりません。
ライバルの強みをよく観察し、それにリスペクトをすることが、大切なのです。
そのリスペクトがあるから「謙虚」になれるし、それがあるから「学べるポイント」が見える様になるのです。
ライバルの短所や弱みを見つけることは、戦略戦術的には使えるでしょう。
でも、自身の成長に繋がることは無いのです。
ライバルの強みや長所を謙虚に観察することで、学ぶべきポイントが見えてくるし、それを取り入れる大切な根っこが見えてくるのです。批判的な視点では、本当に大切な根っこは見えては来ないのです。
さて、あなた自身はいかがでしょうか?
普段からライバルのことをどの様に表現していますか?
あなたの部下は、あなたのその発言に強く影響されているのです。
是非とも「ライバルをリスペクトし強みとその根っこから学ぶ発言」を心がけましょう。
そうすれば、きっと、部下達はあなたの「ポジティブ発言」を真似するようになりますよ。
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