1. ブランドは企業と消費者との信頼関係から - ブランド戦略・ネーミング全般 - 専門家プロファイル

吉原 賢
KICHIGEN 代表
東京都
クリエイティブディレクター

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閲覧数順 2024年04月17日更新

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1. ブランドは企業と消費者との信頼関係から

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コラム 簡単なブランディングについて

この章では、三つのテーマについて、三週に渡って述べてみたい。
初めは、企業が思い込みでブランドをつくってしまった「企業の勘違いでつくられたブランド」。
二番目は、消費者心理に応えるブランドづくりについての「消費者は気まぐれか?それとも熱烈なファンか?」。そしてこの章の最後は、企業と消費者の相互関係によってブランドは活気を帯びたり、衰退もすることについての「ブランドは企業と消費者のマッチング次第」。



1-1 企業の勘違いでつくられたブランド


企業には、商品やサービスのブランドが必ずと言っていいほど存在する。それらの対価によって得られた利益によって企業は成り立っている。
しかし、数あるブランドも残念ながら、すべてが好意的に受け入れられてはいない。
では、その理由とは、どのようなものなのか。一つは、概念や技術があまりにも斬新すぎて、いまの時代や潮流では理解できず、「時期尚早」であった場合。二つ目は、同じような商品やサービスが、競合他社や新規参入の企業に劣り、競り負けた場合。三つ目は、市場動向や消費者心理などの基本的なリサーチを行わず、それによって生まれてしまう「独りよがりのブランド」がある。


とくに三つの中から注目したいのが、最後に述べた「独りよがりのブランド」の誕生から結末について考察してみたい。
頻繁に口にされた、「いいモノだから売れる」というフレーズ。本来であれば、リサーチによって得られた市場の動向や消費者の心理などのデータを分析し、その結果の上に仮説を立てることは、いたって基本的な行動だと考える。その後、それに対する考察と試作の繰り返しを経て完成品が市場に出るべきでだが、残念ながら大企業のように、リサーチに予算を投入できるほど、余裕のある中小企業はあまりないのと同時に、方法自体を知らない現実がある。
それがもとで、自社の技術力に自信があるゆえに、基本的なリサーチや多様なコンセプト案、デザインに関する視点に注力しないことで、ブランドとして認知されず、姿を消す結果となる。


リサーチをするためには、予算とノウハウが必要となる。自社で対応できない場合は、外部の専門家に依頼しなければならない。
では、失敗の公算が大きいプロジェクトをやみくもに行った結果、それまでに投入された資金や失敗したことによる精神的なダメージと、事前のリサーチによって導き出された方向性の中でのチャレンジでは、長い目で見たらどちらが有効かということだ。
リサーチから得られたデータを仮説に反映し、コンセプトはもちろん、機能やデザイン。さらには、商品やサービスを体験する場面までを「ブランド」と想定する必要がある。
「いいモノだから売れる」ではなく、「売れるモノをデザインする」という考え方に転換するべきだ。


次回は「消費者は気まぐれか?それとも熱烈なファンか?」述べさせていただく。

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