第8章 番外編
⑥環境を整えればスタッフを増やすことはむずかしくはない
「スタッフの数を、現状の40人から3ヶ月で120人にします!必ずします!今日からはそのことに集中します!なので、それを実現出来るような方法を今から決めて行きたいのです!協力をお願いします!」
6マンスプラン発表会から店に帰ってきた私は、早速、社員スタッフ3人と5人のスタッフリーダーを集めて緊急ミーティングを行いました。
彼らの表情は一様に、「この店長は何を考えているんだ?この店のスタッフ不足は、歴代店長が誰も解決できなかったことだぞ・・・どうやってやるんだ?出来るのか?」と、驚きと呆れた気持ちが表れていました。
「わかってる・・・・無茶なことを言っているのは十分わかってるよ。でも、ここでこの問題を解決しないと何も始まらないし、毎日スタッフ不足に追われて、辛くてしんどいだけじゃあないか!これじゃあ仕事が楽しくない!だからやろうよ!俺たちの力を見せてやろうぜ!」
そう切り出した私の言葉に反応して、社員やリーダー達は、現状のスタッフ採用に於ける問題点を次々と挙げ始めました。
1)近隣の同業態の店よりも募集時給が低い
2)募集広告を出して応募があっても面接時に自社の近隣店舗に間違われてそちらに面接に行かれてしまう
3)シフトがギリギリなので面接を店のカウンターサイドで簡単に行っている
4)採用してもすぐに退職してしまう
「採用に関する問題点は全部改善しよう」
そう決めた私たちは、4つの問題点に対して対策を決めました。
1)募集時給は、同じに変更
2)募集広告の時に店舗写真と店舗の見た目の特徴を表記して間違われないように工夫
3)採用強化月間の3ヶ月間は、残業をしてでも事務所で面接のための時間を完全に確保
4)採用したら、オリエンテーションを丁寧に実施し、3ヶ月間徹底的にマンツーマンで面倒を見る
問題点をひとつひとつ洗いだし、改善策を決め、ルールを共有し、私たちは決意を新たにスタッフ採用に臨んだのです。
すると、毎日毎日少しずつですが、応募が来るようになり面接も順調に進みました。そしてたった3ヶ月間で、80人のスタッフを増やし、目標通りの120人にしたのでした。
店は事務所も店舗も新人だらけ。まるでグランドオープンのような大騒ぎの日が続きました。
そんな中で、3ヶ月前にいた40人の既存スタッフは、ほぼ全員が新人を教えるトレーナーとなることで、もう一段成長し、新人達にも3日シフトに入ると、必ず2回目のオリエンテーションをして「悩み」を聴いて不安を解消するようにし、1ヶ月後も同じように3回目のオリエンテーションを100%実施したのでした。
私たちは、3ヶ月間徹底的に「採用のためのPDCA」を廻したのです。
その結果、採用した80人は、3ヶ月でたったひとりの退職者しか出ず、それまでのような「採用しては退職、また採用しては退職」を繰り返すことはもう無かったのです。もちろん、そのたった1名の退職者が出たときは、社員やスタッフリーダーが徹夜でその原因や問題点について議論をしたのは言うまでもありません。
さすがに直属の上司からは、売上げが伸びる前に80名の新人をトレーニングした人件費のもの凄いオーバーにはちょっと呆れられてはしまいましたが、それでも、私の本気さを認めてくれていたその直属の上司は、3ヶ月間その人件費オーバーについての部長からの指摘に対して全力で守ってくれたのでした。
PDCAをスムーズにまわすためには、現場が本気で取り組めるような環境を、スーパーバイザーやエリアマネジャーという上司が整えていくことも非常に重要です。当時の私が、この難問をクリアーできたのは、一緒にがんばってくれた仲間と同時に、そんな理解ある上司がいたからなのでした。今も思い出すと感謝の気持ちがあふれてきます。
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