- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
なんじゃこの天候は?・・2
こんなとんでもない天候で・・
暴風雨といえば我々が心配なのは・・
そう足場です。
足場が飛んで行ってしまう!
足場・・
建物を建てる時や改装する時に廻りに建てる人が作業するための仮設施設です。
一般的には単管というスチール製の丸いパイプを鋼製のクランプという金具でボルト締めして組んで、そこに作業床をのせて鳶さんがつくります。
いろいろ種類はあるのですがこの単管足場が最も一般的な足場で、その材料・材種から止め方や止める力まで細かく全てが法律で決められています。
この足場はあくまでも仮設つまり建物が出来上がるまでの仮の施設ですから恒久的には持ちません。
工事が終了したら必ず撤去されることになります。
そうそう・・
この単管足場ってのはスチール製で、それが建てる建物以上に高いところまで覆うことになります。
なので・・
雷がけっこう落ちます。
大抵は地面に直接ついていますのでそのままアースですが。
この足場には・・
足場の外側に防護ネットというシートを全面に張るのですが・・
この防護ネットにはいろいろな役目があり、またその必要とされる役目に応じた種類のネットが工事現場に応じて使い分けて張られます。
まず防護。
物を落としたりした時に外に落ちたり、塗料などを塗ったり吹いたりした時にそれが外に飛び散らないようするためのもの。
次に防塵。
埃などが外に広がらないようにする。
そいから防音。
工事はどうしても大きな音が出ることがありますので、その音が外に漏れないようにするためのもの。
そいで防視。
中を見る・外を見る、スースーに見えないよう半可視状態にします。鳶さん以外はまともに見えると恐怖なのです。
最後に防風。
風が現場内に入らないようにする、工事中の風は現場内には厳禁です。
などの役目があるので、この防護ネットの設置は建築工事においては絶対必要条件です。
私など・・
どんなに高い足場でもこのネットがあれば平気で登っていきますが・・
ネットがないと絶対に登りません。
ネットのない高い足場はまともに外が見えますので恐怖。
風でも吹いたらあっという間に吹っ飛ばされます。
ただ・・
このネット実は簡単に設置できて簡単に取り外せなくてはいけませんので・・
通常の現場では紐でくくってあるだけ・・
非常に風に弱いのです。
さらには単管足場という物自体が仮設でしっかり地面や壁に取り付けてある物ではありません。
ネットは風を通さない、つまり強い風が吹くと帆船の帆みたいなもんで足場ごと吹っ飛ばされて持って行かれてしまうのです。
たまに工事中の足場が倒れてなんて事故の報道があったりしますが・・
そんな事故が起きるのは大抵ネットが風にあおられて足場ごと吹き飛ばされて倒れる。
なので・・
今回のように暴風雨なんてことになるとその都度現場ではネットをはずします。
台風ならいいのです・・
予想がつく。
明日からネット外しとけ!
外部工事は台風が通り過ぎるまで中断!
ですむ。
が・・
今のこういうわけのわからない天候は・・
いきなり雷!
いきなり暴風雨!
現場監督泣かせなのです。
Atelier繁建築設計事務所HP
よもやま建築日記~家づくりの現場から~
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