ローンによる住宅購入はこれだけ高いリスクが存在します(新ファミリー一族向け) - 家計・ライフプラン全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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ローンによる住宅購入はこれだけ高いリスクが存在します(新ファミリー一族向け)

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前回は、新ファミリー一族のなかで、持ち家が無い二代目が居たら、新しく住宅を購入するのではなく、一代目のご自宅に住んでもらい、ご自分たちは賃貸住宅へ移り住むことを提案しました。何故ならば住宅購入そのものが、リスクの高い投資になるからです。

殆どの方は、住宅を購入する際に住宅ローンを組んでいらっしゃいます。これは言い換えれば、レバレッジを効かせて不動産投資を行うことに相当します。
ましてや、現在は金利が安いから借りるといいながら、将来の金利の変動リスクへの対応を考えずに変動金利で借りて居る方達が過半です。大きなリスクを抱えて20~35年間過ごすのです。

1.収入が変動するリスク
・順調に昇進を重ねて、収入が増えることもあり、負債を早めに返せる可能性もありますが
・お勤め先の業績が悪くなり、給与カットの可能性があります。
・勤め先の業績悪化でリストラの可能性もあります。
・また、倒産という可能性もあります。
・怪我や病気で長期間お仕事に出られずに、収入の減少する場合もあります。

2.住宅の貸し出し、売却のリスク
・転勤などで家族全員が転勤地に移る場合、売却するか・貸出するかの判断をしなければなりません。
・売却の場合には、売却金額がローン残高よりも少なく、負債が残る可能性があります。このケースは多いのが現状です。

前回もお伝えしましたが、多くの場合住宅の建物部分は、25年でゼロ円査定として評価されます。2500万円家を建てた場合には、毎年100万円ずつ資産価値が下がるとお考えください。従って土地が売買価格の多くを占めます。ところで、アベノミクスにより、現況は地価の上昇がみられた地域もありますが、依然として多くの地域は値下がりか漸く止まったという状況です。少子高齢社会の進展で人口が減少するのですから、限定された地域を除き地価が下がるのは避けられません。

下図は日本の住宅の築後消失年数です。30年で新しい家が建つほど短期間で消失します

140801各国別築後経過年数

そして、販売時には、建築会社・販売会社・仲介会社等々の利益が載っていますので、
されています。その部分は価値が残りません。通常20~30%程度の利益が価値に上乗せされているといわれています。
このため、売却でローンが完済された場合に「運が良かったね」といわれる理由です。

・貸し出しも、地域によって大きく異なります。マンションを経営していた私の経験では、駅から5分程度の賃料は維持できますが、10分を過ぎると大きく下がります。また、マンションは貸し易く、戸建てはニーズが少ないのでなかなか決まりません。
大家さんになりますと、設備の修繕等々、細かな対応も必要になりますから、管理会社の選定にも注力する必要があります。

3.住宅を持つことで、継続的に支払う費用があります。
費用は固定資産税だけではありません。これを考えていなければ、収入があっても、ローン返済に行き詰る可能性があります。それは、メンテナンス費用です。
表は戸建ての場合の住宅の点検・補修の目安です。
30代で購入して、健康寿命まで同じ住宅に住まわれる場合は40年あります。その間凡そ年間で24.5万円~31万円の費用が掛かります。
購入直後は費用が掛かりませんが、10年を過ぎた時点から、様々の費用が掛かってきます。このほかに注記しているように、土台の修理、屋根の吹き替え、門塀等の外構の修理が必要になる場合があります。


140811戸建て住宅のメンテナンス費用


4.戸建てでなく、マンションの場合には、管理費・修繕積立金がかかります。もしそれぞれが1万円の場合で、年間24万円×40年=960万円
その他に、大規模修繕の場合に、追加の費用が発生する場合もあります。40年経つと建て替えも視野に入ります。その費用はケースバイケースで、明確には書けず、また、そもそも追加費用が出せない住人が発生し、建て替えそのものが難航するケースも散見されます。

これだけ、大きなリスクを抱えながら、日本人の資産配分は不動産に偏りすぎです。
また、不動産を購入した際の負債がありながら、投資を行うのは、観点がずれているのではないかと考えます。
ローンの繰り上げ返済は、リスクなしで返済分の金利が収益に代わる有利な投資対象です。
まずは、負債を減少させ、ご自身のバランスシートをプラスにされるようお勧めします。

このように考えますと、新ファミリー一代目が、不動産を複数お持ちの場合にはその土地に二代目の住宅を建て、本人+ファミリーの資産を貸すのが、住宅ローンという夫妻と、利子の支払いというキャッシュの流出を止めることをお考えください。

ご自宅を二代目に貸して、ご自身は賃貸(高齢者用のものが各地に増加しています)に移り住むことを検討ください。
その際にリフォームすると、戸建て住宅はより長い使用に耐えます。
欧州では図のように高いリフォーム投資率です。木造住宅もきちんと手入れし、リフォームすることで100年使用に耐えるものがあります。
新築の際はそれらを考慮して、建てることをお勧めします。

140811住宅投資の内リフォーム投資比率



貸した土地は、使用貸借であれば賃料は入りませんが、ご自身の土地のままですし、賃貸借契約を締結して、賃貸料を得ても、ファミリーの資産からキャッシュの出は無くなります。

なお、一説では不動産投資は株式投資よりもリスクが高い投資先といわれています。
イボットソン アソシエイツ ジャパンのAAライブラリーでは、国内株よりも国内REIT(不動産投資信託)がリスクは高くなっています(2002/1~2012/12)

新ファミリー一族は私の造語です。一代目を終戦の昭和20年以降とする、図のような特性を持つ家族群を指します。

140810新ファミリー一族の属性
文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師
ホームページアドレス
http://www.officemyfp.com/

独立系顧問料制アドバイザーとは
http://profile.allabout.co.jp/w/c-64005/
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