
- 横山 彰人
- 株式会社横山彰人建築設計事務所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
予算に縛られた家づくりでは好結果が期待できない
これから家を建てようとするとき、予算の決まっていない家族はありません。施主にとって、家を新築することは一生でいちばん大きな買い物になりますから、資金を捻出するためにローンを組むなどといったマネー計画は、ほとんど終了している場合が多いといえます。
ただ、ここで問題となるのが、施主がこの「予算」に固執してしまうということです。その結果、ハウスメーカーや工務店に依頼する際に、まずはじめに予算を告げてから、家づくりの具体的な検討に入るということになってしまうわけです。たしかに、ハウスメーカーや工務店の場合は、はじめに予算を言っておかないと、金額がかさんでいく傾向にありますから、しかたのないことだと思います。
でも、「はじめに予算ありき」でスタートしてしまうと、予算オーバーしてしまったときに、本来自分たちがもっていた''「家づくりに対する希望」''をどんどん切り捨てていくことになってしまうのです。これでは本末転倒もいいところで、なんのための家づくりかわからなくなってしまいます。
(予算を最初に掲げてしまうと、いろいろな面でプレッシャーとなって表れてきます。どうしても予算が足りない場合は、配管、設備などの今しかできないもので予算を削るのではなく、あとからでもできることは、思い切って住んでからの二期工事も視野に入れて考えてみるのも手です。なんでもかんでも無理して予算内ですべてをやってしまうと、あとあと後悔することになります。)
そこで私の場合は、施主と一緒に家づくりをはじめるとき、予算については一切聞かないことにしています。つまり、予算を前面に出して考えるのではなく、家づくり全体を考えるなかに、予算の問題も含まれていると、とらえているのです。
つづきは『建築家がコストダウンで工夫すること』で述べていきます。
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