- 中舎 重之
- 建築家
対象:老後・セカンドライフ
環境破壊の話
地球誕生から46億年の歴史において、人類の誕生が300万年であり、
人類が農耕を始めてから8千年です。
文明と言う名で自然を破壊しだしてから5千年です。
人類は文明の発展の為にと森林の伐採し続けて、他の生物の生存権を奪い絶滅させて来ました。
農耕と言い、文明と言い共に環境破壊=森林破壊の元凶なのです。
人類が森林を消滅させた例を二つ記します。
今から5000年前、中近東一帯の内陸には、高さ40mを超えるレバノン杉が鬱蒼とした森を形成していました。
人々は海岸線に沿って都市を造り交易にて生活していました。
交易とは、古代エジプトにレバノン杉を輸出することです。
レバノン杉は造船や寺院の建材として最適です。
かの有名なソロモン王も神殿の建設の時に、この杉を所望したとあります。
エジプトの力が弱まると、ギリシャ・ローマ等の地中海へと活躍の場を拡げました。
このフェニキア人と呼ばれた人々は、良質のレバノン杉を利用して、ガレー船を建造して海で生きた民です。
永い永い年月を使い森林を伐採し続けて、森の再生となる植林を怠った結果、
レバノン杉の森が消滅しました。
今、レバノン杉は中東レバノンの北部・カディーシャ渓谷(神の谷)に、
1200本程が残っており、樹齢1200年以上のものは400本との事です。
次の話は,エチオピア高原の事です。
エチオピア高原はエジプト文明を支えた青ナイルの上流にあり、
高原の肥沃な土壌をナイル川に提供し続けました。
水量もナイル川の70%も供給しておりエジプト文明の発展の源でした。
海抜2000mのエチオピア高原は、その4分の3は森林に被われていました。
それが、耕作のため伐採、牧場作りの為の火入れ、それから燃料として切り倒されました。
今では森林の面積は3%に激減しています。
それは1930年から1980年の、わずか50年間で森を消滅させてしまったのです。
此の様な森林破壊は、南半球のいたる所で形を変えて現在も進行中なのです。
地球環境から考えると人類の存在そのものが悪であるとしか思えません。
石油エネルギーから排出するCO2による地球温暖化も問題ではありますが、
それ以上に、あらゆる生物の生命帯となる森林の保護こそは、
人類が英知を傾けて取り組むべき緊急(30年以内)の課題ではないかと痛感しています。
森林破壊を阻止すると同時に、森林の再生を実施し継続を計る事です。
その事により次の、さらに次の子供達に「青く澄んだ、みずみずしい地球」を喜んで、
引継いでもらえることが出来るの です。
中 舎 重 之
綜合企画設計工務 一級建築士事務所
FAX:046-263-9324
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