Blog201404、租税法 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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Blog201404、租税法

・水野忠恒『租税法(第5版)』有斐閣
・主な地方税
・主な地方税の分類
・地方税の法定外目的税
・『租税判例百選(第5版)』有斐閣


・『租税判例百選(第5版)』有斐閣
上記書籍のうち、所得税法の部分(№30~54事件)、法人税法の部分(№55~65事件)を読みました。
所得税法
・最高裁昭和36年3月6日、判例百選30事件、課税単位
夫婦の所得については、2分2乗方式は許されない。「2分2乗方式」とは、夫名義で得た所得を半分にして、半分を妻の所得として、各自に所得税法の税率を乗じる方式である。累進税率の制度では、所得税額を軽減できる。民法は、夫婦別産制を取っており、夫名義で得た財産は夫の所得となるからである。そして、他に、(離婚の場合は)財産分与請求権、(死別の場合には)相続分、(それ以外にも)扶養請求権が認められているから、夫婦の実質的平等は保たれている。
・夫婦財産契約と所得の帰属、判例百選31事件
夫婦財産契約は、対外的に、所得の帰属を決めるものではない。
・最高裁平成16年11月2日、所得税法56条の適用範囲、判例百選32事件(弁護士夫婦事件)
個人事業者(弁護士)が、生計を一にする配偶者(弁護士)に対して報酬を支払った場合、たとえ、当該配偶者が別に独立して事業(弁護士)を営んでいる事業者であっても、所得税法56条の例外は所得税法57条であるから、所得税法57条の例外(青色事業専従者または事業専従者の控除)に該当しない限り、所得税法56条の文理解釈により、事業所得の必要経費とすることはできない。
同旨、最高裁平成17年7月5日、弁護士・税理士夫婦事件。
これらの判例については、共稼ぎ夫婦に不利であるという批判がある。

・最高裁昭和46年11月9日、不法な所得、判例百選33事件
 利息制限法超過の利息は違法な所得であるが、貸主に収受されれば課税される。未収の利息は、法律違反なので、返済を強制できず、課税されない(管理支配基準)。

・最高裁平成22年7月6日、非課税所得、判例百選34事件
 遺族年金特約付き保険は、みなし相続財産として、相続税が課税されるので、遺族が受領する年金部分については、二重課税を避けるため、課税されない。

・不動産所得と譲渡所得の区別、判例百選37事件
 所得税法33条1項括弧書き、施行令79条により、借地権設定の権利金は、譲渡所得として扱われる。権利金の性質は本来であれば不動産所得ではあるが(最高裁昭和45年10月23日)、譲渡所得として扱うのは、高額の権利金について、累進税率による課税負担を軽減しようとする政策的配慮によるものである。

・最高裁昭和56年4月24日、事業所得と給与所得の区別、判例百選38事件
 弁護士の顧問料について、事業所得と給与所得の区別の判断基準を示した。結論は、事業所得と判示している。
「その顧問業務の具体的態様に応じて、その法的性格を判断しなければならないが、その場合、判断の一応の基準として、両者を次のように区別するのが相当である。すなわち、事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいい、これに対し、給与所得とは雇傭契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう。なお、給与所得については、とりわけ、給与支給者との関係において何らかの空間的、時間的な拘束を受け、継続的ないし断続的に労務又は役務の提供があり、その対価として支給されるものであるかどうかか重視されなければならない。」


・地方税の法定外目的税
地方税の法定外目的税として、以下のものが存在したが、現在では、廃止されている。
・砂利採取税(河川法、海岸法の砂利採取使用料と重複)
・東京都の銀行税(違憲判決あり)
・京都府の古都保存協力税
・奈良県の文化観光税
・栃木県日光市、宮城県松島町の文化観光施設税
・熱海市の別荘等所有税(固定資産税と重複)

・主な地方税法
・主な地方税の分類
主な地方税として、以下のものがある。
個人や法人に課税される・住民税(道府県住民税、市町村住民税)
事業者や会社等に特有のものとして、・事業税(道府県)、・事業所税(指定都市等)
個人に課税される、・国民健康保険税(市町村)
不動産関係として、
・不動産取得税(道府県)
・固定資産税(市町村)
・都市計画税(都市計画区域内の市町村のみ)
・特別土地保有税(市町村)
・宅地開発税(市町村)
自動車関係として、
道府県
・自動車取得税
・軽油引取税
・自動車税
市町村
・軽自動車税
たばこ税として、・道府県たばこ税、・市町村たばこ税
特定業種に関する税として、
道府県
・ゴルフ場利用税
市町村
・共同施設税
・入場税
・狩猟税
鉱業関係として、・鉱区税(道府県)、・鉱産税(市町村)
その他
・水利地益税(道府県、市町村)


水野忠恒『租税法(第5版)』有斐閣
2011年、本文約800頁。
著者は、金子宏教授の弟子である。
従来のテキストが租税法総論、手続法、租税争訟法(国税通則法など)に重点を置いていたのに対して、本書は、租税法の実体法に重点を置いている。
租税実体法として、所得税法(約170頁)、法人税法(約260頁)、国際課税(約60頁)、租税特別措置法、相続税法(約100頁)、消費税法(約60頁)、地方税法・条例(約20頁)が取り上げられている。
かゆい所まで手が届くというわけではないが、条文・判例に忠実な標準的なレベルまで理解できる。
例えば判例理論に未解決の問題があると著者自身が考えているような論点については、記述が謙抑的である。
第1編 租税法の体系と基本制度
第2章 納税義務の確定手続と納税環境の整備
第1節 概説
第2節 納税義務の成立と確定
第3節 申告納税制度
第4節 更正・決定
第5節 質問検査権
第6節 推計課税
第7節 納税環境の整備
第3章 納税義務の履行・消滅
第1節 納税義務者
第2節 租税の納付
第3節 徴収手続
第4節 徴収納付制度
第5節 納付の期限
第6節 納付税額の還付
第4章 租税争訟
第1節 概説
第2節 租税不服審査
1 原処分庁(税務署長など)に対する異議申立て
2 国税不服審判所に対する審査請求
第3節 租税訴訟
第2編 所得課税
第5章 所得税法
第3節 非課税所得
第4節 所得の分類と所得税の基本的仕組み
第5節 各種の所得
・利子所得、
・配当所得
・不動産所得
・事業所得、
・給与所得、
・退職所得
・譲渡所得
・山林所得
・一時所得
・雑所得、
第6節 所得の年度帰属
第7節 必要経費
第8節 損益通算と損失の繰越し
第9節 所得控除と税額控除
第6章 法人税法
第2節 法人税の納税義務者
第3節 法人以外の事業形態
・ 組合
・ 匿名組合
・投資事業有限責任組合契約
・有限責任事業組合
・信託
第4節 法人所得の計算
1 企業会計と税務会計
(1)法人所得の計算と企業会計の意味
(2)企業会計と法人税法との差異
(3)一般に公正妥当と認められる会計処理基準の意義
(4)確定決算主義
(5)収益・費用の年度帰属
(6)費用収益対応の原則
2 資本等取引
(1)資本金等の額
(2)利益積立金額
(3)自己株式を交付した場合に増加する資本金等の額
(4)自己株式を取得した場合
3 法人税の課税標準の計算の概略
4 益金の内容
(1)一般規定
(2)無償取引
(3)グループ法人税制
5 益金の別段の定め
(1)受取配当の益金不算入
(2)みなし配当
(3)資産の評価益の益金不算入
(4)還付金等の益金不算入
6 損金の内容
(1)損金の金額
(2)金額の合理性
(3)違法・不当な経費
7 損金の別段の定め
(1)棚卸資産
(2)減価償却資産の取得価額、償却費
(3)繰延資産・金融商品の時価評価
(4)資産の評価損
(5)法人の役員給与
(6)寄附金等の外部支出
(7)租税公課の損金不算入
(8)圧縮記帳
(9)引当金
(10)繰越欠損金
(11)災害損失金の繰越し
(12)交際費
(13)使途不明金
(14)仮装による過大申告
8 有価証券・金融商品の時価評価
第5節 法人税額の計算
1 各事業年度の所得に対する法人税
2 退職年金等積立金に対する法人税
第6節 法人組織の設立・変更
・ 適格組織再編成
・ 倒産と租税
第7節 特殊関係法人の課税問題
1 同族会社
・同族会社の留保金課税
・同族会社の行為計算否認
2 グループ法人税制
3 連結納税制度
第3編 相続税法
第7章 相続税法
第1節 相続税 
第2節 贈与税
第3節 財産の評価
第4編 消費税法
第8章 消費税法
第4節 税率
第5節 仕入税額控除
第5編 地方税・条例
第9章 地方税法
第1節 法定外地方税
第2節 事業税
第3節 住民税