「だから、これはこういう風にするって決まっているんだよ。文句言わずにこう言う風にやって!」
部下やスタッフが、「何故こう言うふうにするんですか?」と質問をすると、「決まっている」「そう言うもんだ」「こう言うルールだ」「決めごとだから」と言う説明をしちゃう上司っているんですよね。これって、「ちゃんと」「きちんと」「しっかりと」と同じこと。つまり、上司の説明義務違反なのです。
この説明義務違反を続けていると、店長とスタッフの人間関係は、徐々に冷めていきます。そしてスタッフはこう思うのです。
「ああ、この店長には、何を聴いてもその背景や理由は教えてくれないんだな。じゃあ、仕方が無いから言われたことだけやっておこう。」
店長が、背景や目的を説明しなくなると、スタッフは主体性を封印し、言われたときに言われたことだけをするようになります。その結果、人時生産性は低下し、同時に、従業員満足度も低下していきます。そうなってから店長は言うのです。
「うちのスタッフには主体性というものがない。言われなきゃあ動かないし、不満ばかり言う・・・」
そうさせているのは店長本人なのにね。まったく困った店長です。
あるとき、私は、このような言い方をしょっちゅうスタッフに言っている店長に質問をしました。
「なぜ、背景や目的や理由をスタッフに説明してあげないのですか?」
すると店長は、
「彼らにはどう説明しても理解出来ないんですよ。会社のルールやこだわりなんてね。ましてや衛生管理などは難しいですからね。フェアなんかにしても、そんな細かい理由を知るよりも、彼らには売ってもらえればそれで良いんですよ。背景や理由なんて知らなくても、お客様のお薦めくらい出来ますからね。彼らには、シンプルな指示が一番効果的なんです!」
ああ、絶句・・・さらに愕然・・・そして呆れてしまいました。
理由、目的、背景を知らずして、主体的に積極的にお客様のご満足いただけるような仕事が出来ると本気で思っているのでしょうか?・・・いや、彼はきっとそう思っているんでしょうね。
そこで、私は、何故、店長がこのような考えになっているのかを知るために、もう少し細かい質問をしてみることにしました。その結果、決定的なことがひとつわかったのです。なんと、店長自身も、詳しいことを把握していないのです。自分が把握していないのですから、スタッフの質問に正確に答えられるわけがありません。彼自身も、理由や目的や背景などは、把握する必要が無いと思っていたようです。
さて、売上は、環境の変化や競合の出現などで苦戦することは多々あります。しかし、そんな時は、自分達の力をフルに発揮しなくては防戦一方になってしまい、いずれは負けてしまいます。
店長は、自分を含めてスタッフの持つ力をフルに引き出して環境の変化や競合と戦わねばなりません。その為の一番効果的な方法は、店長とスタッフが主体的かつ積極的に行動することなのです。そして、そうなるには「戦う方法」について「理由」「目的」「背景」を理解することが必須なのです。
先ほどの店長のように、自分自身がそれを把握していない状態では、スタッフに教えることなど出来ません。
戦いに勝つには、作戦があります。その作戦には、「なぜそうするのか?」と言う理由があり、「それをしたらどうなるのか?」と言う目的が有り、「その作戦になったのはなぜか?」と言う背景があります。
店長は、その大切な理由と目的と背景を「そう言うもんだ」と説明をサボらずに、自ら徹底的に理解しましょう。それが、あなたの仕事を成功させる一番効果的な方法なんですからね。
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ
■松下雅憲が紹介されたページはこちら