不動産法の内容 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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村田 英幸
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閲覧数順 2017年02月26日更新

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不動産法の内容

不動産法は、司法試験の独立した選択科目とされていない。
不動産法は、大別して、
(1) 民法の特別規定をなす民事特別法(借地借家法、建物区分所有法、住宅の品質確保の促進等に関する法律など)、
(2) 不動産登記法のような手続法(裁判に基づく登記に関する手続の規定を含む法律として、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、破産法などの倒産法もある)、
(3) 不動産に関する行政法規
に分けられる。
法務省は司法試験の選択科目とするためには、学問として確立していること(受験生から見れば学習範囲が明確であること)、大半の法科大学院で4単位以上であることを目安としている。
司法試験の選択科目として合格するためには、法科大学院の授業・ゼミが最低でも合計8単位は必要であろう。
教授陣、テキストについて必ずしも充実されているとはいえないようである。
なお、アメリカは制定法と判例法の国のため、アメリカのロースクールは、授業で判例集(ケースブック)または判例集・法令集・事例集を兼ねたもの(ケーシズ&マテリアルズ)を用いる。ケースブック等には、判例の結論は書いてあるが、模範解答は書いていない。ロースクールでは、教授が学生に次々に質問し、解答に導く「ソクラテス・メソッド」という方式を取っている。学生に考えさせる力を養い、判例・資料のリサーチ癖をつけるためである。大教室で一方的に教授が教えるような講義形式とは異なる。
新しい法律分野だと模範解答がないし、教材も豊富ではないため、上記のようなアメリカとは似てはいるが、アメリカのロースクールは授業のスタイルとして採用しているのであって、日本とは状況が異なる。

・民事特別法
借地借家法、建物区分所有法のように民事特別法については、実務的には重要であるが、司法試験の対象範囲に含まれているが、出題されることは、ほとんどない。
 私が司法修習生の頃には、民事特別法を勉強すべきとされていた。
また、不動産に関連する民法(借地借家法なども含む)は、不動産鑑定士試験の必須科目(論文式)である。

・不動産登記法のような手続法(裁判に基づく登記として民事訴訟法、民事執行法、民事保全法、破産法などの倒産法がある)は、司法書士試験の対象であるが、司法試験の対象外か、あるいは、ほとんど出題されない。
 私が司法修習生の頃には、裁判に基づく登記として民事訴訟法、民事執行法、民事保全法における登記に関する部分を勉強すべきとされていた。
 そうした旧来の教育方法よりは、法科大学院で事前に教えるほうがベターであろう。
 
・建築紛争
建築紛争は、東京と大阪の地方裁判所では事件を集中する民事部を設けており、専門性の高い訴訟類型である。建築基準法に関する最高裁判例は約70件あるが、建築基準法は技術的性格が強く、技術水準が向上すると、改正が頻繁なため、古い判例はそのままでは使えない。また、建築基準法が必ずしも関連しない建築紛争もある。
しかし、現時点で、建築紛争を簡便に調べられるような判例百選のような判例&事例教材集もない。もっとも、学生向けではないが、建築紛争について、建築紛争処理の関係者向けに、裁判例のデータベースが構築されている。

・国土関係法(不動産に関する行政法規)
行政法や民事法と学習範囲が重複するし、法科大学院でも開講している学校も少なく、2単位が多いとされている。
不動産に関する行政法規の特色として、統一的な法律があるわけではなく、規制の目的や手法に応じて、個別の単行法が多数存在する。
例えば、不動産開発・整備の手法に応じて、土地収用法、土地区画整理法、都市再開発法、新住宅市街地開発法など、複数の法律が併存している。
不動産に関する行政法規は、裁判所の通常事件でも関係してくるから、今後の裁判例の展開も見込まれる。
また、不動産に関する行政法規は、新しい分野であるため、個別法に関する裁判例も少ない。ただし、第2次大戦後に比較的早く立法された都市計画法、土地区画整理法、土地収用法、農地法、建築基準法については、最高裁判例が民事・刑事を合わせて、それぞれ約百件づつある(各個別法の重複分を含む)。
なお、不動産に関する行政法規は、択一式試験ではあるが、不動産鑑定士試験、宅地建物取引主任者試験の必須科目である。
また、不動産に関する行政法規は、規制の目的によって、土壌汚染対策法、自然公園法、自然環境保全法のように、「環境法」に含まれる不動産に関する行政法規もある。
あるいは、金融商品取引法、不動産特定共同事業法、資産の流動化に関する法律、投資信託及び投資法人に関する法律のように、「金融法」に含まれる不動産に関する行政法規もある。


[不動産に関する民事法]
民法(物権法、担保物権法、債権総論のうち債務不履行、債権各論のうち売買・請負など)
借地借家法
区分所有法
民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)
大深度地下の公共的利用に関する特別措置法

[不動産に関する行政法]
不動産鑑定士試験
<短答式試験>
不動産に関する行政法規
出題形式:択一式(マークシート方式)
出題範囲:次の①の法律を中心に、②の法律を含みます(関係する施行令、施行規則等を含む)。

土地基本法、
不動産の鑑定評価に関する法律、
地価公示法、
国土利用計画法、
都市計画法、
土地区画整理法、
都市再開発法、
建築基準法、
マンションの建替えの円滑化等に関する法律(建物の区分所有等に関する法律の引用条項を含む。)、
不動産登記法、
土地収用法、
土壌汚染対策法、
文化財保護法、
農地法、
所得税法(第1編から第2編第2章第3節までに限る。)、
法人税法(第1編から第2編第1章第1節までに限る。)、
租税特別措置法(第1章、第2章並びに第3章第5節の2及び第6節に限る。)、
地方税法

都市緑地法、
住宅の品質確保の促進等に関する法律、
宅地造成等規制法、
新住宅市街地開発法、
宅地建物取引業法、
公有地の拡大の推進に関する法律、
自然公園法、
自然環境保全法、
森林法、
道路法、
河川法、
海岸法、
公有水面埋立法、
国有財産法、
相続税法、
景観法、
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、
不動産特定共同事業法(第1章に限る。)、
資産の流動化に関する法律(第1編及び第2編第1章に限る。)、
投資信託及び投資法人に関する法律(第1編、第2編第1章及び第3編第2章第2節に限る。)、
金融商品取引法(第1章に限る。)
消防法


[不動産に関する行政法規の対象となる内容]
国土政策
規制の目的・主体・対象・内容・手法
法の執行(行政法、罰則)
訴訟(行政訴訟、民事訴訟)
裁判外の紛争処理手続