- 松岡 在丸
- 松岡在丸とハウジング・ワールド
- 東京都
- 建築プロデューサー
対象:住宅設計・構造
ギクッと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
最近では、お父さんが子育てに熱心になる風潮も感じられるほど、以前とは異なる家族の雰囲気というものが日本の家庭に見られるようになりました。
これも震災の影響なのかもしれませんが、子供との絆をシッカリと結んでいなければならない、子育てという時期は2度と来ない、ということを認識していることもあって、父親が子供たちとの接点をたくさん持つようになっているような気がします。
その風潮に付随していない家
ところが、お父さんが子供と過ごす場所は、家の中ではどこになるでしょうか。特に理想的なのは、家族みんなが集まりやすい、集まりたい場所があるということ。おそらく最も適しているのはリビング・ダイニングでしょう。
では、リビングはお父さんと子供たちがゆっくりと楽しい時間を過ごしたいと思えるような空間になっているでしょうか。子供が小さい時は、家の中で遊ぶことも少なくありませんから、ある程度の自由なスペースがリビングに必要となります。
ダイニングで会話を
お父さんが子供たちと真剣な会話をするようになる、思春期以降の大切な空間は、やっぱりダイニングもしくは子供部屋でしょう。ダイニングで心を割った話し合いができるかどうかは、その空間が狭くて窮屈で、「食事の時だけの場所」となっていていないかどうかに掛かっています。
食事をしているときというのは気分が良い時なので、和やかな会話がしやすくなります。また、子供部屋があまりにも隔離されていて、親との精神的な距離が大きくなってしまうような孤立空間になっていると、閉じこもった子供の部屋に入り込んでいくことは難しくなります。子供も出にくくなります。
親子の会話がしやすい空間づくりというのは、精神的な壁を家の間取りで作らないようにすることが重要です。
お父さんも料理をしよう
最近のテレビ番組を見ていると、男性タレントでも料理が上手な人が増えていることが分かります。もう、キッチンに立つのは女性だ、という時代ではないのです。私も見習わなければなりません。
キッチンに立つということは、男性も使いやすいキッチンとはどんなものであるかということを意識すべきであるということ。実際に台所に立ってみて初めて奥さんの苦労が分かったりするものです。家づくりを始める前に、少しずつ料理の趣味を持ち始めてみるのも良いかもしれませんね。若いパパたちにはぜひお勧めです。
とはいえ、社会で働くことを経験している人の話は、子供たちに大きな影響を及ぼします。お父さんもお母さんも、子供たちと一番過ごさなければいけないのは、子供が将来、何をやっていきたいと感じているかを率直に聞くことです。
そうするのにとても良いタイミングが、一緒に台所で何かを作るという作業だったりします。
家づくりは生活づくりであり、子育ては家づくりの工夫で大きく変化させることもできます。ぜひとも、男性がもっともっと子供と関われるような文化を、家に反映させたいですね。
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