意匠の「利用」 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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鈴木 祥平
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村田 英幸
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閲覧数順 2017年10月20日更新

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意匠の利用

意匠の利用には、以下の2つの類型があると解されている。

(1)2つの意匠の物品が異なる場合で、例えば、先願が部品で後願が完成品の場合、あるいは先願が組み物の構成物品であり、後願が組物の場合である。

(2)2つの意匠の物品が同一の場合で、先願が形状のみの意匠であり、後願が形状に模様・色彩または模様および色彩を結合して全体として別個の意匠とした場合である。

ただし、後願意匠が、先願意匠と渾然一体となって区別できない場合には、別個の意匠であって、「利用」に該当しない。

 原則として、上記の場合には、後願は登録できず(意匠法3条の2)、業として実施もできない(意匠法26条)。ただし、先願意匠権者に対して、利用するために裁定を求めることはできる(意匠法33条)。

意匠法第3条の2  意匠登録出願に係る意匠が、当該意匠登録出願の日前の他の意匠登録出願であって当該意匠登録出願後に第20条第3項又は第66条第3項の規定により意匠公報に掲載されたもの(以下この条において「先の意匠登録出願」という。)の願書の記載及び願書に添付した図面、写真、ひな形又は見本に現された意匠の一部と同一又は類似であるときは、その意匠については、前条第1項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。ただし、当該意匠登録出願の出願人と先の意匠登録出願の出願人とが同一の者であって、第20条第3項の規定により先の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条第4項の規定により同条第3項第4号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日前に当該意匠登録出願があったときは、この限りでない。

(他人の登録意匠等との関係)

第26条  意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その登録意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠・これに類似する意匠、特許発明・登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の特許権・実用新案権・商標権・その意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠の実施をすることができない。

  意匠権者、専用実施権者又は通常実施権者は、その登録意匠に類似する意匠がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の登録意匠・これに類似する意匠、特許発明・登録実用新案を利用するものであるとき、又はその意匠権のうち登録意匠に類似する意匠に係る部分がその意匠登録出願の日前の出願に係る他人の意匠権、特許権、実用新案権、商標権、その意匠登録出願の日前に生じた他人の著作権と抵触するときは、業としてその登録意匠に類似する意匠の実施をすることができない。

(通常実施権の設定の裁定)

第33条  意匠権者又は専用実施権者は、その登録意匠又はこれに類似する意匠が第26条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその登録意匠又はこれに類似する意匠の実施をするための通常実施権又は特許権若しくは実用新案権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

  前項の協議を求められた第26条の他人は、その協議を求めた意匠権者又は専用実施権者に対し、これらの者がその協議により通常実施権又は特許権若しくは実用新案権についての通常実施権の許諾を受けて実施をしようとする登録意匠又はこれに類似する意匠の範囲内において、通常実施権の許諾について協議を求めることができる。

  第1項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、意匠権者又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。

  第2項の協議が成立せず、又は協議をすることができない場合において、前項の裁定の請求があつたときは、第26条の他人は、第7項において準用する特許法第84条 の規定によりその者が答弁書を提出すべき期間として特許庁長官が指定した期間内に限り、特許庁長官の裁定を請求することができる。

  特許庁長官は、第3項又は前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第26条の他人又は意匠権者若しくは専用実施権者の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。

  特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第3項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。

  特許法第84条 、第84条の2、第85条第1項及び第86条から第91条の2まで(裁定の手続等)の規定は、第3項又は第4項の裁定に準用する。