著作権法の引用  - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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閲覧数順 2016年12月05日更新

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著作権法の引用 

著作物判例百選58事件

最高裁昭和55・3・28、パロディ事件

一 旧著作権法(明治三二年法律第三九号)30条1項2号にいう「引用」とは、「紹介、参照、論評その他の目的で自己の著作物中に他人の著作物の原則として一部を採録すること」をいい、引用を含む著作物の表現形式上、引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される側の著作物とを明瞭に区別して認識することができ(明瞭区別性)、かつ、右両著作物間に前者が主、後者が従の関係があること(主従の関係)を要する。
二 他人が著作した写真を改変して利用することによりモンタージュ写真を作成して発行した場合において、右モンタージュ写真から他人の写真における本質的な特徴自体を直接感得することができるときは、右モンタージュ写真を一個の著作物とみることができるとしても、その作成発行は、右他人の同意がない限り、その著作者人格権を侵害するものである。
三 雪の斜面をスノータイヤの痕跡のようなシュプールを描いて滑降して来た六名のスキーヤーを撮影して著作した判示のようなカラーの山岳風景写真の一部を省き、右シュプールをタイヤの痕跡に見立ててその起点にあたる雪の斜面上縁に巨大なスノータイヤの写真を合成して作成した判示のような白黒のモンタージユ写真を発行することは、右山岳風景写真の著作者の同意がない限り、その著作者人格権を侵害するものである。 

著作権判例百選59事件

 藤田嗣治事件 美術の著作物を美術全集に掲載することは、主従の要件を満たさず、引用に該当しない。

著作権判例百選60事件

 「絶対音感」事件 著者が自分の見解を補強するために、翻訳文をカギカッコ付きで示しただけで、出典・翻訳者を示さずに引用したのは、引用の態様(範囲、分量など)を考慮して、引用として、許されるとした。

著作権判例百選66事件、

「血液型と性格」事件 著作権法43条2号は同条1号と異なり「翻案」を掲げていないから、要約引用は許されないとする見解が学説では有力であったが、要約引用は許されると判示している。

著作物判例百選86事件

最高裁平成10・7・17、「本多勝一反論権『諸君!』事件」

他人の著作物に対する論評中に、右著作物の記述が第三者の談話をそのまま紹介したものではなく著作者自身の認識判断であるかのような適切を欠く引用紹介部分があっても、他の部分を併せて読むならば、右論評は専ら著作者が第三者の談話をその真偽を確認しないでそのまま紹介したことを批判するものであって、このことは右論評を通読する一般読者にとって明白であり、右適切を欠く引用紹介部分の内容が右批判の前提となっているわけでもないという事情の下においては、右著作物の引用紹介が全体として正確性を欠くとまではいえないから、右論評に名誉毀損としての違法性があるということはできない。同一性保持権も侵害しない。