- 榎並 慶浩
- リーンアカウンティングジャパン 代表
- 東京都
- 税理士
対象:財務・資金調達
資金繰り表の大まかな構成は、当然ながら入金と出金に分かれます。
家計簿の会社版として考えるとイメージはしやすいですが、
一般的に家計簿は収入が一本(給与)で費用がいろいろという感じです。
(副収入がある場合はこの限りではないですが)
これに対し、資金繰り表は会社の入出金を記録するため、
収入も会社の事業形態によって様々です。
したがって、入金と出金をさらに細分化していく必要があります。
お金に色はないとよく言いますが、資金繰り表上は色づけしておかないといけません。
前回のコラムで書いたように、資金の状況をタイムリーに把握するためには、
資金繰り表を見たときに、何の入金か、何の出金かがぱっと分かるように作っておく
必要があります。
ここでいう色づけとは、入出金を種類別に管理するということです。
具体的には、物品販売とサービスの2つの業務をおこなっていたとすると、
販売売上による入金とサービス売上による入金を分けておくということです。
そのほかにも、利息収入や預り金など、売上以外の入金も分けておくといいでしょう。
分かるようにと言っても、どこからの入金であるとか、何の商品だったかといった
細かい情報まで織り込む必要はありません。
資金繰り表は、現状の資金の流れを把握することであり、今後の資金見込を
立てるためにあるので細かい情報はいりませんし、作成に手間がかかってしまい、
タイムリーに把握できなくなるというデメリットもあります。
そうは言っても、作成担当者は細かく作成しないと気が済まないということも
あるでしょうから、そういう場合は欄外とかエクセルならコメントにするとか、
表自体に影響を及ぼさないようにしましょう。
あと、金額が小さいものを別掲するのも同じ理由で避けるようにします。
出金も同様ですが、大きく分けると仕入と経費に分けられ、経費はさらにいくつかに
細分化することができます。
特に経費の中で大きな割合を占めるのは人件費ですが、これは資金繰り上も
優先的に確保しておくべき性質のものになるので、分けて管理するといいでしょう。
そのほか、戦略的に経費の投下を行っていくものがあれば、個別に別掲しながら
管理するのが望ましいと言えます。
入金・出金の種類は会社によって様々になるかと思いますが、資金の把握という
視点で考えると、各々多くても5~10種類くらいまでに抑えたほうがいいと思います。
あまり多いと、資金の流れが複雑になってしまい、把握がしづらくなります。
どれも重要で外せないというのであれば、分類をいくつかの階層に分けたうえで、
上の階層のみ資金繰り表に記載し、以下の階層は別添するなど工夫したほうが
いいと思います。
以上が、資金繰り表における入出金の種別管理です。
それを踏まえたうえで、実は、資金繰り表の作成にあたっては、さらに大きな枠組みで
資金の分類をしておく必要があります。
本日のお話はその分類をしたあとの管理なんですね。
次回、その大きな枠組みをご説明します。
今回と次回の話を合わせて、資金繰り表の枠組みは完成です。
なので、今回の話を忘れないうちにお読みいただけるよう、なるべく早く更新しますね(^^;)
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