- 榎並 慶浩
- リーンアカウンティングジャパン 代表
- 東京都
- 税理士
対象:財務・資金調達
利益は出ているのにお金がない、そんな経験ありませんか?
典型的なのが、決算で利益が確定したけど納税資金がないとか。
そんなわけない、と思われた方は問題ありませんが、少しでも経験がある場合は要注意です。
昔は黒字倒産なんて言葉がありました。
実際、今でも「勘定合って銭足らず」というケースはよくあるようです。
こういったことが起こるのは、会計上の利益と資金繰りがごっちゃになっているからに他なりません。
毎月の試算表などを見るときに、損益ばかりを気にしてしまうということはありませんか?
毎月、貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)のほかに、キャッシュフロー計算書は見ていますか?
もっと言えば、資金繰り表を作成していますか?
キャッシュフロー計算書とは、一定期間の資金の流れを示した表で、
BS・PLとともに財務3表などと言われたりします。
キャッシュフロー計算書の作成はそれほど難しくなく、BSとPLがあれば簡単に作成できます。
私がお客様に月次報告する際には、BS・PLから簡易なキャッシュフロー計算書を作成して
添付するようにしています。
ただ、これはあくまでBS・PLという結果から作成するものですので、
過去の資金の流れを示しているにすぎません。
今までPLの利益しか見てこなかったという場合には、利益と資金の関係が把握できるので、
キャッシュフロー計算書を見ることに大きな意義があります。
しかし、資金が乏しくなってきた、資金がショートしそうだ、といった状況は
タイムリーに把握しなければなりません。
逆に、事業の拡大を目論んで何かに投資をしたりするにしても、
投資をすることによって将来の資金の状況がどうなるかが分からなければ、
恐くて投資ができないですよね。
そういった状況に陥らないためにも、資金繰り表は作成しておく必要があります。
資金に余裕があれば月次でも構いませんが、理想的には日次、ある程度タイムリーに把握するには、
最低でも週次くらいで作成するのが望ましいです。
そのうえで、将来の見込みも立てていくことで、投資にも踏み切ることができるわけです。
この将来の見込みを資金計画と呼びます。
まずは足元の資金の状況を把握するためにも資金繰り表を作成しましょう。
資金繰り表の具体的な作成方法は次回お知らせします。
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