ビジネス法務2010年11月号、民法 - 民事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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ビジネス法務2010年11月号、民法

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ビジネス法務2010年11月号、民法

「実務を変えた!最新ビジネス判例30選」と題して特集が組まれている。

・最高裁平成21・1・19民集 第63197

(賃貸借)

ビルの店舗部分を賃借してカラオケ店を営業していた賃借人が,同店舗部分に発生した浸水事故に係る賃貸人の修繕義務の不履行により,同店舗部分で営業することができず,営業利益相当の損害を被った場合において,次の(1)(3)などの判示の事情の下では,遅くとも賃貸人に対し損害賠償を求める本件訴えが提起された時点においては,賃借人がカラオケ店の営業を別の場所で再開する等の損害を回避又は減少させる措置を執ることなく発生する損害のすべてについての賠償を賃貸人に請求することは条理上認められず,賃借人が上記措置を執ることができたと解される時期以降における損害のすべてが民法416条1項にいう通常生ずべき損害に当たるということはできない。
(1)
 賃貸人が上記修繕義務を履行したとしても,上記ビルは,上記浸水事故時において建築から約30年が経過し,老朽化して大規模な改修を必要としており,賃借人が賃貸借契約をそのまま長期にわたって継続し得たとは必ずしも考え難い。
(2)
 賃貸人は,上記浸水事故の直後に上記ビルの老朽化を理由に賃貸借契約を解除する旨の意思表示をしており,同事故から約1年7か月が経過して本件訴えが提起された時点では,上記店舗部分における営業の再開は,実現可能性の乏しいものとなっていた。
(3)
 賃借人が上記店舗部分で行っていたカラオケ店の営業は,それ以外の場所では行うことができないものとは考えられないし,上記浸水事故によるカラオケセット等の損傷に対しては保険金が支払われていた。

・最高裁平成21・3・10民集 第633385

(所有権留保と不法行為)

動産の購入代金を立替払した者が,立替金債務の担保として当該動産の所有権を留保する場合において,買主との契約上,期限の利益喪失による残債務全額の弁済期の到来前は当該動産を占有,使用する権原を有せず,その経過後は買主から当該動産の引渡しを受け,これを売却してその代金を残債務の弁済に充当することができるとされているときは,所有権を留保した者は,第三者の土地上に存在してその土地所有権の行使を妨害している当該動産について,上記弁済期が到来するまでは,特段の事情がない限り,撤去義務や不法行為責任を負うことはないが,上記弁済期が経過した後は,留保された所有権が担保権の性質を有するからといって撤去義務や不法行為責任を免れることはない。

 

・最高裁平成21・3・27民集 第633449

(債権譲渡)

譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者が同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張することは,債務者にその無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り,許されない。

・最高裁平成22・7・20裁判集民事 第234323

(請負)

請負人の製造した目的物が,注文者から別会社を介してユーザーとリース契約を締結したリース会社に転売されることを予定して請負契約が締結され,目的物がユーザーに引き渡された場合において,注文者が請負人に交付した注文書に「支払いについて,ユーザーがリース会社と契約完了し入金後払いといたします。手形は,リース会社からの廻し手形とします。」との記載があったとしても,次の(1),(2)など判示の事実関係の下においては,上記請負契約は,上記リース契約が締結されることを停止条件とするものとはいえず,上記リース契約が締結されないことになった時点で,請負代金の支払期限が到来する。
(1)上記リース契約は,上記ユーザーに目的物の代金支払につき金融の便宜を付与することを目的とするものであった。
(2) 上記請負人が,請負代金の支払確保のため,あえて信用のある会社を取引に介在させることを求めた結果,上記注文者との間で上記請負契約が締結された。

 

 

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