- 西田 淑子
- サクセスインサイド・コミュニケーション 代表・コミュニケーショントレーナー
- 大阪府
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
冬が旬の赤い果物は「りんご」です。英語では apple 、フランス語では pomme 、スペイン語では manzana 、チェコ語では jablko 、ラテン語では pupillam 、リトアニア語では obuolys 、韓国語では사과、中国語では蘋果、というように、世界中で名前が異なります。だけどりんごは、「りんご」という名前をもってこの地球上に登場したわけではありません。果物が先にあって、後から名前が付きました。
りんごは、世界中に2万種もの種類があるそうですが、日本の市場に出回っている主な品種は、ふじ、デリシャス、王林、紅玉、国光、津軽、アルプス乙女、姫小町、ジョナゴールド、茜、陸奥、スターキング、など数10種類もあります。
名前を知らなくても、それぞれ見比べたり、食べ比べたりすると、それらの違いが分かります。皮の色の具合、形や大きさ、甘味や酸味、歯ざわりなど、見た瞬間、触った瞬間、食べた瞬間に、その違いを認識することができます。違いを認識する感覚の情報の種類も量もとても多いですが、名前を付けることによって、多くの感覚の情報を1つにまとめて記憶する事ができます。
こうやって、私たちは、目から耳から皮膚から、あるいは鼻から舌から入ってくる、膨大な情報を、十把一絡げにして、認識することができます。パターン化してまとめて認識し、記憶することが出来るからこそ、私たちは多くの情報を、伝達し、あるいは未来を創造することが出来るのです。
私たちも、名前を持って生まれてきたわけではなく、生まれてから名前が付きました。私は西田淑子、という名前が付きましたので、西田淑子、という名前で、私と直接会った人は、私を記憶することができます。その記憶には、顔や表情やしゃべり方や、背の高さや、歩き方や、声の調子や年齢やと、いろいろな要素が含まれています。その時々の出来事や、気分や、食べたものの味や、音楽や、暑いとか寒いとかまでも記憶に一緒にまとまっています。
例えば、私が誰かを思い出したとき、その記憶の要素を、想像の力で変更したら、その誰かに対する感じ方や気分を変更する事ができます。その人を小さくしてみる、その人の声を相当太くしてみる、あるいは声を相当早くしてみる、周りの景色を花いっぱいにしてみる、などそうすることが出来たなら、記憶の気分を変えることができます。
実際に体験した出来事と、記憶の要素を変えることとは、感覚の要素の量が異なります。もちろん実際に体験した出来事の方が、強力な記憶になりますが、想像する事も、何度か繰り返していると、強力な記憶にすることが出来ます。私たちは素早くしか学べませんから、素早く何度か行うことで、記憶のイメージを変えることができます。
同じ様に、未来の事についても、未来のイメージを、具体的には出来なくても、明るくて、広くて、心地よい音や、美味しい味等を想像するだけでも、未来に対する感じ方が変わります。
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