- 松岡 在丸
- 松岡在丸とハウジング・ワールド
- 東京都
- 建築プロデューサー
対象:住宅設計・構造
家の中で中心的な使われ方をする部屋は、「食」を支えるダイニングです。
キッチンは「食」を生み出す準備室であるとすれば、ダイニングはまさしく「食」を楽しむ実践の場。
人は食べてエネルギーを得、食べるときに“素”な気持ちになり、食べるときに最も和むもの。それゆえに、家族が揃って食事をすることは世界的なレベルで重要視されていますね。
ところが日本のダイニングルームって、いかがでしょうか。家族みんなが爽やかな気持ちで集まれるような、広さと明るさと雰囲気が整っているでしょうか。
ダイニングを賢くプランニングするには押さえておくべきいくつかのポイントがあります。
十分な広さを持とう
ダイニングは、最も大切なファミリースペースと言っても過言ではありません。余裕を持って家族が食事を楽しめるためには、家族の人数×2ぐらいの人数で使えるだけのスペースを確保しましょう。4人家族なら、8人掛けのテーブルの広さが理想的、ということです。
それだけの広さが確保されると、例えば親族を泊めた時に一緒に食事することもできますし、子供たちがたくさんの友達を読んでホームパーティーを楽しむこともできるようになります。
朝食時に自然光が入る配置を
朝の陽の光が入らないダイニングというのが、日本には意外に多いものです。広さと共に明るさが確保されると、朝のすがすがしい気分をダイニングから始めることができます。
旅行に行ったときに、モーニングビュッフェなどを実施しているホテルや旅館などで家族で朝食をしているとき、とてもすがすがしく爽やかになりませんか? どれだけ朝の光がその広いレストランに入り込んでいるかを思い起こしてみてください。その爽やかな気分で、毎日を過ごすことができ、それが365日続くんですから、家が快適で楽しくなることは言うまでもありませんね。
勝手口を設けて家族専用の玄関にする
サザエさんなどで出てくる勝手口ではなく、海外のホームドラマなどに出てくる「裏口」を想像してください。朝食を済ませた子供たちが、ファミリー玄関として裏口を使うシーンを観たことはありませんか?
自転車やマイカーなどは、裏側の勝手口を使うことができると、何かと便利なんです。買い物から帰って荷物を勝手口から運び込み、そこはすぐにダイニングやキッチンがありますしね。
考え方としては、出入りの場所を玄関だけに限る必要がない、ということ。リビングに一つ、ダイニングに一つ、という考え方をすると良いのです。(リビングと玄関の関係については今後のコラムを参考にしてください。)
小学生ぐらいの子供の学習スペースに
ダイニングが広いと、子供ものびのびします。そこで宿題をするようにしましょう。部屋に閉じこもって宿題をさせるのではなく、お母さんがキッチンで調理している近くで、互いの顔を見ることができる距離で子供が多くの時間を過ごせるように、です。
子供がダイニングで一日の大半を過ごせるようにすると、それは親子の距離を縮めてくれます。そのためにダイニングを大活用できるようなプランニングをお勧めしているんです。
ダイニング一つを見ても、日本と海外とでは仕様も使い方も異なります。どうすれば本当に「家族力」をアップさせる使い方ができるようになるのか、様々なカルチャーを学び、日本の良い部分と悪い部分とを判別して、常識にとらわれない、本当に家族にとって有益な家づくりをしましょう。
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