- 真鍋 貴臣
- 香洋ファイナンシャル・プランニング事務所 代表者
- 香川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:家計・ライフプラン
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20130422-OYT8T00283.htm
【記事抜粋】
高額なデザイナーズ輸入家具は、最近の円安傾向でますます手が届きにくくなりそう。
ただ、最近は日本国内で意匠権がない名作のデザインを再現した「ジェネリック家具」と呼ばれる比較的お手頃な家具が普及している。
【抜粋終了】
「ジェネリック家具=リプロダクト家具」が注目されています。
かくいう私もモダンデザインの(浅い)マニアなので、リプロダクト家具には興味津々です。
(目下のところ、スペース的な理由で購入していませんが)
コルビジェやミース・ファン・デル・ローエがデザインした家具が、手の届く価格で買えるのは非常にいいなぁと思います。
しかしこの記事、私のポリシーに照らしあわせると、実は正反対の二つの意見を内包してしまう不思議なトピックであったりします。
■コンサルタント的な立場から考えると「NO!」となる
コンサルタント的な立場から考えると、巨匠がデザインした製品を中国やアセアンなどの安い労働力で「安価な商品」にしてしまう事には反対です。
特に「デザイナーズ家具」という、奢侈品の極みのような商品に関しては、そもそものマーケット自体が大きくないため、高い利益率を維持する必要があります。
そうなってくると安価なジェネリック家具が普及した場合、既存の商品は売れなくなるでしょうし、高品質にもかかわらず安価な商品の普及が業界自体を収縮させる事は、これまでに述べたとおりです。
■モダンデザインマニア的な立場から考えると「YES!」となる
ところが一方マニア的な立場から考えると、ジェネリック家具の普及は「モダンデザイン巨匠たちの悲願」なのではないかと思うのです。
(対象を「モダンデザインの巨匠」に限って話すのは少し恣意的な気もしますが、多分リプロダクトされている家具の多くはモダンデザインのものだと思いますので良しとしましょう…)
モダンデザインの定義や意義は様々ですが、その主たる目的の一つに「大衆のための大量生産可能なプロダクトを生み出す」事がありました。
それまでの「特権階級」のための家具ではなく、勃興する市民の為のプロダクトを目指す。
しかも、「品質を保ち大量生産可能」なプロダクト…これこそがモダンデザインの目的の一つであったわけです。
つまり、現在の様にジェネリック家具が普及しつつあるような状況というのは、そのデザイナーたるモダンデザインの巨匠たちからみれば「大衆のために自分たちがデザインしたプロダクトたちが大量生産され安価に入手できる=理想の状況」なのではないかと思うのです。
マニアとしては、これを支持しないわけにはいけません。
■結局どうなれば一番いいのか?
つらつらと書いてきましたが、「マーケットとしての発展」と「モダンデザインのそもそもの意義」の双方を良い方向にもってゆくためにはどうすればいいのでしょうか?
極論ですが、その答えは「意匠権の切れたデザインのものは原則全てリプロダクトで生産する」ということでどうかなと思います。
そうすることで、少なくとも優れたデザイン自体は20年間保護されるわけですし、逆に意匠権が切れた優れたデザインを安価に入手する事も可能です。
また、自然と商品に寿命ができますので、ハイプライス群を担う企業は次世代のスターを育成する事に注力する事でしょう。
意匠権が切れた後にジェネリック家具が安価に発売されても、「本物」を求めるマニアは結局「旧作」を支持しますので、既発商品の価値が落ちる事もないでしょう。
ただ、そうなる為にはデザイナーズ家具の購入者層自体が増える必要があると思いますし、そうなることで悪い影響を受ける業界も出てくるようにも思います。
しかし、個人的にそういった「デザイン」に興味を持った人が増え、趣味的な意味での「仲間」が増える事には大賛成です。
僕も早くイームズのラウンジチェアを買いたいものです(ハーマンミラー製は買えないので、ジェネリックで…)
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