須永 豪(建築家)- コラム「そんな風にしていま、過去10年を廃棄している」 - 専門家プロファイル

須永 豪
響きあう木の空間

須永 豪

スナガ ゴウ
( 長野県 / 建築家 )
須永豪・サバイバルデザイン 
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そんな風にしていま、過去10年を廃棄している

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建築的 2013-07-05 22:07

仕事も空きができてきたので、
先週から、住まいと仕事部屋の大片付けをしている。
容赦なくボンボン捨てる。
判断基準は『この先の10年』に必要か、どうか。

移住してきて5年。
はじめは広かったこの部屋も、今や物で埋まって通り道が塞がっていたり、
物を取るために物をどかす、という暮らしにくい状態。
気が付けば色々溜まっていた。

移住以後、色々あった。
夜明け前に起きて畑を楽しむような自然志向にも少しなったし、
社会の危うさを知って食料備蓄に目覚めたし、
3.11でそれが証明されたり、3.11以後の世界のに必要な物も増え、
新しい活動もはじめ、
同時に仕事にも追われ追われて片付けなど一切できず、
文字通り山積みになる一方にしてしまった。

移住前の東京時代から持ち越してきてた物も色々ある。
たとえば建築や教養の本とか音楽とか。
若い頃は未来が見えなくて不安だから、情報を山ほど所有することで安心しようとしていた。
でも自分の建築や生き方のスタイルが明確に見えてくると
「未来は情報 (過去)の中にはない」ことがはっきりとわかる。
そのつど自分で紡ぎ出すしかないのだし、そのつど紡ぎ出せる自信がもうできた。
それにインターネットの世界も成熟したから、情報はいつでもスムーズに取り出せる。
だから、本や情報はほとんどいらない、とハッキリしてきた。

あとは思い出。これも、そんなにいらない。
今まで37年の経過を見ると、過去より今の方が必ず素晴らしかった。
きっとこの先もそうだろう。

そんな風にしていま、過去10年を廃棄している。
過去を廃棄して出来る空白、そこは未来が入る余白になって広がる。
なるほど、これは素晴らしく爽快だ。

さて今日もボンボン捨てるぞ!

(そこで生じる『破砕・埋め立てゴミ』ってやつが、これはこれで悩ましいのだが…
山に穴掘って埋めて、いいわけないよなぁ)

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