森 滋昭(公認会計士・税理士)- コラム「【IFRS 導入延期の影響】- 今、各社の導入プロジェクトの状況は-」 - 専門家プロファイル

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【IFRS 導入延期の影響】- 今、各社の導入プロジェクトの状況は-

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IFRS(国際会計基準) 2011-07-30 21:55

こんにちは、東京港区の公認会計士 森 滋昭です。


先月、IFRS(国際会計基準)の導入が2015年3月期から延期されることが決まりました。

この延期について、経営財務(7月25日号)がアンケートを行い、企業の実務家や公認会計士などから121件の回答を得ています。

この導入延期についてのアンケートを見ていると、現在の各社の状況がわかります。



1.導入延期発言
まず、自見金融担当大臣の導入延期発言についての印象については、
・半数ほどがIFRS導入延期に関して肯定的でしたが、
・3割は延期を「悪い」と否定的にとらえています。

やはり、多くの企業にIFRS導入は歓迎されていなかったと言えますが、3割もの方は延期すべきではなかったととらえていますね。


2.IFRSの対応状況
各社の、IFRSの対応状況についてもアンケートを行っています。

回答(複数回答)をみると、 
・4割がプロジェクトを立ち上げ、
・2割は専門の部署を設置したり、人材を配置しているようです。

また、
・4割強はGAAP分析も行い、
・2割はコンサルティング契約を締結しているそうです。

これは複数回答ですので、すでにGAAP分析やコンサルティング契約を結んでいる会社は、プロジェクトや専門部署を立ち上げた会社とかなり重なるのかもしれません。

一方、3割強はまだ何もしていないようです。

IFRSに積極的な会社が回答したのかもしれませんが、予想以上の会社がIFRS導入に取り組んでいますね。



3.導入延期の影響
導入延期の影響については、
・2割は予定通りIFRS導入をする予定ですが、
・4割はプロジェクトの凍結・解散を検討するようです。

やはり導入延期の影響は大きいですね。


4.コメント
アンケートのコメントをまとめてみると、各社にとってIFRSの必要性は薄いものの、本当にIFRSが必要ならば、国が早く方向性を出すべきであり、単体決算や税法についても調整するべきである。
また、監査法人もきちんと対応してほしい、といった意見のようです。


コメントを見ると、ある程度プロジェクトを進めていた会社の多くは、必要性をあまり感じなくとも、まじめにIFRSと取り組んでいたと言えそうです。


今回のややもすれば唐突なIFRS導入延期は、仕方がない面もあります。

しかし、導入を前提に上場企業の多くの会社が作業をしていたのですから、やはり国として方向性をある程度前もって伝えられなかったのかと思います。

来年以降、適用の判断時期までに、ある程度のコンセンサスを得られて、今回のような混乱がなければと思います。

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