- 森 滋昭
- 森公認会計士事務所 公認会計士・税理士
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対象:税務・確定申告
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- 平 仁
- (税理士)
こんにちは、東京港区の公認会計士 森 滋昭です。
消費税は大きな流れとして、2010年代半ばまでに、段階的に消費税率を10%まで引上げることが、政府・与党社会保障改革検討本部で、社会保障・税一体改革案として、平成23年6月30日に決定されています。
今回の税制改正でも、消費税に関しては、2つの大きな改正がなされ、いわゆる益税が見直されています。
(法人税、所得税、相続税ともに、抜本改正が先送りされたのとは対照的です)
やはり、高齢化による人口構造が変わる中で、消費税重視の現れでしょうか。
以下、改正内容と適用時期について見ていきます。
1.免税事業者の要件の厳格化
課税売上高が1,000万円以下の事業者のうち、課税売上高が上半期で1,000万円を超える時※は、翌期から課税事業者とする
※ただし、課税売上高に代えて支払給与の額で判定することもできる
適用時期:平成25年1月1日以後に開始する事業年度から
基本的に消費税の扱いは、前々期(2年前)の課税売上高で判定します。
そのため、例えば会社設立から2年間は、前々期の売上がないので、消費税を納めなくてよい、とされてきました。
しかし改正により、設立初年度の上半期に売上が1千万円を超えると、翌期から消費税を納めなければなりません。
ただし、売上高に代えて給与支払額で判定してもよいとされています。
つまり、売上が1千万円を超えても、給与支払額が1千万円以下であればいいので、給与支払額も一つのポイントになってきます。
また適用時期が、平成25年1月1日以後に開始する事業年度からなので、平成24年中に会社設立をする方が増えそうですね。
2.仕入税額控除の95%ルールの見直し
課税売上割合が95%以上の場合、課税売上高が5億円超の会社には、課税仕入れ等の税額の全額について仕入税額控除の適用はしない
適用時期:平成24年4月1日以後に開始する課税期間から適用
従来は、事務負担に配慮して、売上のほとんど(95%以上)が課税売上の場合、すべての仕入れについて税額控除を認めていました。
しかし改正により、預金利息のような非課税売上が1円でもある場合は、
・個別対応方式
・一括比例配分方式
のいずれかの方法により、課税売上高に対応する仕入税額控除を算出し、課税売上高に対応する分しか控除できません。
仕入税額控除の計算では、個別対応方式の「課税売上と非課税売上等に共通して要するもの」の扱い、がポイントになってきます。
いずれの計算方法にしても、事務負担と負担する消費税の増加は避けられません。
そのため、課税売上高5億円以下であれば、
・従来通り事務負担も軽く、
・全額仕入税額控除が取れる
ので、課税売上高5億円というのも、ひとつのポイントになってきそうですね。
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【平成23年度税制改正】 -税制改正の経緯 -
【平成23年度税制改正】 - 法人税編 -
【平成23年度税制改正】 - 所得税編 -
このコラムの執筆専門家
- 森 滋昭
- (東京都 / 公認会計士・税理士)
- 森公認会計士事務所 公認会計士・税理士
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監査・税務・ビジネス、”3つのキャリア”で、約20年。 その間、いつも「決算書の数字の奥にあるものをみる!」感覚を研ぎ澄ましてきました。 だから・・・ベンチャーから上場企業まで、あなたの会社の、一番の社外サポーターに!
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