辰巳 いちぞう(経営コンサルタント)- コラム「個人の記録(欲求)と組織の目的のバランスが崩れるとき」 - 専門家プロファイル

辰巳 いちぞう
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タツミ イチゾウ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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個人の記録(欲求)と組織の目的のバランスが崩れるとき

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経営者・管理職向け 2011-04-16 18:10

4/15、阪神・金本選手の連続出場記録が1766試合で途絶えた。

 

事の経緯はこうだ。

 

8回表、2アウトから代打で出場したが、一塁走者の藤川俊介選手が盗塁に

失敗して、3アウトとなった。

 

8回裏の守り金本選手が守備につけば、連続出場記録は途絶えることがなかった。

野球規約上、出場の定義は一打席を完結させるか、イニングの守備を完結させるか

なのだが、8回裏の守りをせず、金本選手が退く形で連続出場記録が途絶えたのだ。



金本選手が守りにつかないのも、中継ぎの投手交代の都合上やむなしである。

阪神はリードしていたのだから。

 

真弓監督が野球規約を勘違い、あるいは忘れていたのかという憶測も

飛び交っているようだが、それこそ記録のための記録である。

 

当然真弓監督は「わかっててやった」という談話が出てくる。



多少、波紋を呼んでいるようだが、割を食ったのは藤川俊介選手である。

 

「申し訳ないことをした」と顔面蒼白で肩を落としているという。

 

私から言わせると、結果が悪かっただけで、攻めの施策を踏んだのは阪神ベンチ

であって、藤川俊介選手が肩を落とす理由などどこにもないと思うのだがどうだろうか。

 

当然、この一連の動きはベンチワークである。

 

藤川俊介選手が独断・ノーサインで盗塁を試みたとしても、すでにベンチから自己判断で

走ってOKの承認が出ているから、走るわけである。

 

当の金本選手も

「途絶えた? もう全然(気にしていない)。笑えたぐらいよ」と言っているが、

 

気になるワードが「笑えた」である。

 

「誰がバッターであれ、あそこの盗塁はびっくりしたな」

この発言が笑えたの裏付けであることは言うまでもない。

 

金本選手は真弓監督にもこのように伝えていたという。

「無理して出すのはやめてください。あまり気にしないでください」

 

矛盾している。途切れ方が気にくわないということなのだろうか。

 

味方をもびっくりさせるのが作戦であり、

暗黙「金本ルール」がもしあったのなら、それは残念だ。

 

組織の目的は勝つことであり、特定選手の記録更新も大事だが、この試合は

昨年チャンピオンの中日相手に1点を争うゲームだ。3連戦の初戦であり、

鬼門ナゴヤドームでの今季初戦でもある。

 

発言の前後関係をよく知らずに申し上げるのだが、

1点を取りに行く攻めを笑う理由がどこにあるのか。

 

このくだりは、昨年あたりから物議を醸している。

チームが勝てば、水に流れるが負けが込めば一気に議論の対象に

浮上する。

 

チームの目的をぶれさせる存在が「大ベテラン」なのだとしたら、少々

残念な話である。



企業経営や組織マネジメントにも同じ事が言える。

社歴の長いベテランが、組織の目的をぶらせてしまうことが多々ある。

 

業績がいいときは「まぁいいか」で終わる。

悪くなると、組織にイライラや閉塞感が募る。

 

組織の目的をぶらせてはいけないのである。

 

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