荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「日本国債、中国に買われる!」
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こんにちは!
さて、日銀の国際収支統計によると、中国の日本国債の保有残高が、2011年末で、約18兆円まで膨らんでいるとのことです。
これは前年に比べて、71%の増加、2年間で5.2倍と、過去最高の残高になっています。
世界一の外貨準備高を誇る中国ですが、このところドルに偏った運用を見直しており、その一環として、現時点でユーロ資産を増やすわけにもいかないことから、円資産へシフトしているとみられています。
中国は、すでに2010年には、米国やイギリスを抜いて、日本国債の最大保有国になっています。
6月から「元」と「円」の直接取引も開始され、今後さらに、「円」への投資も増えてくることが予想されます。
外国に国債を買ってもらうこと自体は、ある意味喜ばしいことではあります。
ただ、当然のことながら、中国の影響力が増すと共に、この財政赤字の中、金利が低く抑えられている要因でもある、国債の国内消化率(保有残高)が、徐々に低下していったとき、一体何が起こるかです。
どんなに赤字国債を発行し、財政が悪化したとしても、国内で消化できる資金力さえあれば、国債が大暴落するような事態には至りません。
しかしながら、外国が保有する国債は話が違ってきます。
財政悪化が深刻になれば、リスク回避のため、当然、日本国債の“売り”が増加します。残高が多ければ多いほど、そのリスクも高くなります。
そして、信用力が低下してきた日本国債を買ってもらうには、金利を引き上げなければなりません。
これは、ギリシャやスペインの例を見ても明らかです。
日本の場合、金利が1%上昇しただけで、金融機関が約6兆円の含み損を抱えると言われています。
従って、現時点において、外国の国債保有残高が拡大していくということは、その危険性も高まるという認識だけは持っておきたいものです。
財政が健全化した上で、外国がこぞって日本国債を“買いたい”と思うような、魅力的な国にしたいですね。
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