荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「ポケモンGOの功罪」
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こんにちは!
さて、このところ巷では、「ポケモンGO」の話題でもちきりです。
東京株式市場では、7月19日、ゲーム大手メーカーの任天堂の株式に、
買いが殺到しました。
1日の売買代金は、
東証1部全体のおよそ23%に当たる7036億円余りとなり、
個別銘柄として過去最高を更新しました。
また、時価総額も、およそ4兆5000億円まで膨らみました。
25日月曜日は、さすがに今までが急騰だったため、
率にして17%余り急落したようです。
ただこのアプリは、実は任天堂が作ったものではありません。
「ポケモン」というと任天堂というイメージが強いですが、
「ポケモンGO」は、グーグルでGPSを活用した社内事業から立ち上げた
ナイアンティック社が作ったアプリケーションです。
任天堂や株式会社ポケモンは、あくまでナイアンティック社の株主で、
ライセンサーという立場です。
この事実を知らずに株を買っている投資家は、居ないとは思いますが・・
さて、今回私がお伝えしたいことは、
実は株価の話ではありません。
皆さんもすでにご存じだと思いますが、
このアプリを使って、世の中で、起こっている出来事です。
「運転中にやっていて、追突事故を起こした」
「がけから転落した」
「立ち入り禁止地区に入ってしまった」など、
場合によっては、命を落としかねない社会現象が起きています。
私は個人的に、形態やスマートフォンでゲームをしないため、
「ポケモンGO」をやったことはありません。
ただニュースなどでアプリの内容を見ていると、
明らかに「移動しながらスマホを使う」ことが、
前提のアプリではないかと思います。
従って、今起きているような事故は、
開発段階で、“確実に想定できた”出来事です。
それなのに、このようなアプリが、
なぜ誕生したのでしょうか!?
考えるに、「面白いので人気が出る」「売れる」「儲かる」
という単語が頭に浮かびます。
確かにこのアプリによって、関連企業の株価は上昇し、株主は大満足、
また利用者もゲームを楽しんでいるわけですが、
本当にそれだけでよいのでしょうか?
私は、長らく経営コンサルタントという立場で仕事をしていたので、
“企業の社会的使命”について、仲間たちとよく話をしました。
その時、よくテーマに上ったのが「顧客満足」についてです。
企業は、「顧客の満足」を得るために努力をし、
その対価として「売上(収益)」を得ています。
ただしその時、よく話に上ったのは、その前提として、
「企業の社会的存在意義、役割、使命」
を果たす必要があるということでした。
すなわち、顧客満足、そして株主が満足だったとしても、
社会的な問題を引き起こすような商品やサービスを、
企業は提供すべきではないということです。
日本においては、以前から「歩きスマホは危険」と言われており、
現に、それが原因で多数の事故が起きています。
そのような中、「歩きスマホ」、「運転スマホ」を誘発するようなアプリは、
「本当に社会的役割・使命を考えたサービスなのか」
と疑問に思えてしまいます。
利用者の「自己責任」という言葉に置き換えてしまって、
本当に良いのでしょうか。
皆さん、賛否の意見はそれぞれあると思います。
ただ、このアプリが原因で、
大きな事故などが起こらないことを願うばかりです。
それでは、今週も、穏やかな日々をお過ごしください。
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