荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「問われる“日本の稼ぐ力”」
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こんにちは!
さて、アベノミクスの成長戦略においても、
“日本の稼ぐ力”が問われている昨今ですが、
この度発表された2015年版の「通商白書」で、
海外勢に比べ、日本の稼ぐ力が弱いことが明らかとなりました。
白書では、日米欧とアジアのグローバル企業160社について、
事業部門別の売り上げを分析しています。
それによれば、売上高に対する営業利益率が、
日本企業の全部門のなんと“91%”で、
10%を下回っていることがわかりました。
海外勢と比較すると、営業利益率が10%を下回っている割合は、
米国企業で28%、アジア企業が59%、欧州企業が66%となっており、
日本の営業利益率の低さが際立っています。
白書においては、日本企業の事業多角化が、
「成長分野」に絞られていないことが主要因であると指摘しています。
実際に、輸出量が増加している成長分野に占める各国のシェアをみると、
日本が47%なのに対して、米国74%、ドイツ71%、中国89%と、
付加価値の高い分野で伸ばしていることを見て取ることができます。
ここ数年、日本の大企業は、M&Aなど積極的に投資を行ってきてはいますが、
問題はその中身ということのようです。
確かに、最近のシャープ、ソニー、東芝など、
かつての大手優良企業で起こっている業績不振や企業統治の問題をみると、
過去の成功体験にしがみつくのではなく、
いかにこれからの成長分野でビジネスを伸ばしていくかを、
ドラスティックに考えなければならない時期が来ているといえるでしょう。
数十年前、私が経営コンサルタントとして最初に教えられた
「企業は、“環境適応業”である」
という大原則に立ち返る必要があるようです。
日本の将来のためにも、
ここは日本人の英知を結集して頑張るしかありませんね。
それでは、今週末も世界が平和で穏やかな日々となりますように!
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