荒川 雄一
アラカワ ユウイチ「世帯貯蓄、過去最高の1798万円に!」
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こんにちは!
さて先般、総務省の家計調査の中で、
2014年の世帯当たりの金融資産額が発表されました。
それによると、金融資産額の平均値は、前年比3.4%増加し、
“1798万円”と過去最高額を更新したとのことです。
調査対象は、2人以上の世帯のため、単身世帯は含まれていません。
金融資産の内訳を見ると、株式や債券などの有価証券が4.6%増の251万円、
定期預金が4.7%増の758万円、そして普通預金が6.7%増の380万円、
となっています。
有価証券が伸びたのは、最近の株高による“恩恵”と考えられますが、
普通預金の伸びが大きいのが目を引きます。
世帯別にみると、働いている勤労世帯が1290万円だったのに対し、
世帯主が60歳以上の高齢無職世帯は2372万円となっており、
高齢者による金融資産の保有比率が高いことが如実に現れています。
また、高額の金融資産保有者の影響を受けやすい“平均値”ではなく、
世帯順に並べた“中央値”でみると、1052万円となり、
平均値に比べ746万円ほど下がっています。
一方、世帯当たりの負債額も、前年比2%増加し、509万円となりました。
単純に平均資産額から負債額を引くと、純資産額は1289万円となります。
これは2人以上の世帯の資産額ですので、一人当たりにすると、
2人家族で645万円、3人家族なら430万円となります。
基本的に、世帯の資産額が増加したことは、喜ばしいことではありますが、
そこでふと私の頭をよぎったのは、「国の借金額」のことです。
ちなみに、2014年度末の「国の借金額」は、国民一人当たり“830万円”でした。
国民の金融資産の総額では、いまだ国の借金を上回ってはいますが、
このように“平均値”でみると、一人当たりの純資産では、
国の借金を賄いきれない人が多いのが現実です。
やはりこのままでは、国の施策も、
“持っている人”にご負担いただく方向になっていきそうです。
いずれにしても、定期預金や有価証券の“価値”が、
大きく下がらないことを願うばかりです。
それでは、今週も穏やかな日々をお過ごしください!
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